日産「サクラ」発表 軽の最新EVで、電気自動車は普及するのか? 内装/装備編

公開 : 2022.05.20 14:10  更新 : 2022.05.20 14:15

軽自動車の新型EV「日産サクラ」が発表に。実車を取材・試乗しました。前編では、デザイン、内装、装備を中心にお届けします。

サクラeKクロスEV その違い

執筆:Hajime Aida(会田肇)

2021年1月、菅義偉首相(当時)の施政方針演説において「2035年までに新車販売の100%を電動化する」ことが示された。それ以降、日本においても電動化へシフトする動きが急速に強まりつつある。

それを受けて、2022年に入ると各社からはEVが相次いで投入されることが発表され、そしてついにその動きは軽自動車にまで及んだ。

日産サクラX(239万9100円)。発売は、2022年夏頃を予定している。
日産サクラX(239万9100円)。発売は、2022年夏頃を予定している。    前田惠介

5月20日、日産と三菱が待望の軽自動車EVを発表し、夏に発売すると発表したのだ。

まずはその概略を説明しよう。

両車ともハイト系ワゴンのスタイルを採用する軽自動車EVだが、コンセプトは大きく違う。

日産は車名をまったく新しい『SAKURA(サクラ)』とし、同社EVの新たなラインナップとした。対する三菱は、従来からある「eK X(クロス)」の流れを汲む中での追加モデル『eKクロスEV』としている。

そのため、サクラはデザインとしても上位モデル「アリア」とも重なるデザインイメージを持たせてまったく新しいEVであることを強調。

その一方でeKクロスEVは、外観にルーフレールを準備するなどeKクロスのSUV風デザインを引き継ぎ、EVながら“eKファミリー”の一員であることを訴えている。

つまり、EVのパワートレイン系こそ同じでありながら、両車は立ち位置を変えることで、それぞれの個性を訴求しているのだ。

今回はその中で発表前のサクラ(プロトタイプ)にテストコース内で試乗することができた。それを引き合いに、試乗した感想などをレポートしていこうと思う。

こう見えて、ボディはほぼ新設計

この日の事前試乗会は、あいにくの雨が降りしきる中で実施された。

会場には日産のEV 3兄弟として、サンライズカッパーのボディ色に身をまとったリーフやアリアも並べられていた。

日産サクラXの前席内装
日産サクラXの前席内装    前田惠介

特にサクラとアリアはフロントグリルやヘッドライトの意匠をかなり近いデザインとしており、そのイメージからは“ミニ・アリア”という印象も受ける。

グレード構成は最上位の「G」を筆頭に、最量販グレードと見込まれる「X」。それに最廉価な「S」の計3グレードがラインナップされた。ただ、「S」はビジネス用途となるせいか、カタログには掲載されていない。

なので実質的には、フル装備の「G」と、装備を絞り込んで身近な価格帯とした「X」の2グレード構成と考えていいだろう。

サクラの造形は一見して、ガソリン車のデイズをベースにバッテリーを搭載したようにも見える。

が、それは違った。

プラットフォームこそ同じであるものの、ボディはほとんどが新設計となっているのだ。商品企画担当者に聞くと、デイズと共通化しているのは、フロントウインドウと左右ドアミラー、各ドアグリップぐらいだという。

記事に関わった人々

  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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