第8世代のフォルクスワーゲン・パサート
公開 : 2014.07.04 22:45 更新 : 2017.06.01 02:12
第8世代のフォルクスワーゲン・パサートの公式写真が公開された。伝統的なミッド・サイズ、例えばフォード・モンデオやヴォグゾール・インシグニアのライバルとなるモデルで、サルーンとエステート、2つのボディ・タイプが今回お披露目された。
新しいパサートは、よりラグジュアリー志向となり、BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスをもターゲットとしている。従って、価格は第7世代のモデルよりも若干上がりそうだ。しかし、そのボディ・サイズは、先代よりも若干ながら小さくなる。これは、非常に柔軟なフォルクスワーゲンのMQBプラットフォームによるところが大きい。
この新しいプラットフォームの採用は、ボディ重量の軽減にも大きく寄与している。その結果、経済効率にも大きく影響し、ラウンチ・モデルである2.0 TDI BMTIは、排気量の小さい先代の1.6 TDI ブルーモーションと全く同じ24.4km/ℓの燃費と108g/kmのCO2排出量を持つに至っている。
ボディ・サイズは、全長4767mm、全幅1832mm、全高1456mmと、先代に較べて2mm短く、12mm広く、6mm低くなっている。そのボディには最新のゴルフと同様に、高張力鋼板とアルミニウムが多様され、先代に較べて85kgのダイエットに成功しており、ホワイト・ボディ単体でも21kgも軽量となっている。ラウンチ・モデルの1.4 ACT BMTでは1312kgという数値だ。
ボディ・サイズの縮小にもかかわらず、ショルダー・ルーム、ヘッド・クリアランス、レッグ・ルームはフロントとリア共に先代に比べて拡大されているとフォルクスワーゲンはコメントしている。また、ブート・スペースも47ℓ拡大した650ℓ、エステートでリア・シートを折りたためば1780ℓという莫大なスペースが現れる。
ちなみに、ホイールベースは先代よりも79mm長い2791mm、トレッドはフロントが31mm拡大された1584mm、リアが14mm拡大された1568m。サスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラット、リアが、マルチリンクというレイアウトだ。
インテリアには、アクティブ・インフォ・ディスプレイと名付けられたオプションが設定されるほか、ダッシュボード上部には関連した情報がディスプレイされるようになっている。また、最新のモジュラー・インフォテーメント・システムも使用されている。
搭載されるエンジンは4気筒のガソリンおよびディーゼルで、すべてEU6適合だ。また、アイドリング・ストップとブレーキ・エネルギー回生システムを持ち、6速マニュアルまたは7速デュアル・クラッチが組み合わせられる。ハルデックス・マルチ・プレートによる4WDシステムもオプションとして選択が可能だ。
エンジンはラウンチ時にはガソリン、ディーゼル共に3タイプが用意される。ガソリンは、125psの1.4ℓ、180psの1.8ℓ、そして220psの2.0ℓだ。ディーゼルは、すべて2.0ℓのターボで、150ps、190ps、240psの3つのチューニングが用意される。150psバージョンは24.4km/ℓの燃費を持つ。一方、240psバージョンは0-100km/h加速6.1秒、最高速度240km/hというパフォーマンスを持つ。
ラウンチ時にはこの6種類のエンジンがラインナップされる予定だが、その後、より経済的な1.6ℓディーゼルもラインナップに加えられる予定だ。このエンジンは、120psで、CO2排出量100g/kmを切り、燃費も26.6km/ℓをマークするとされている。
また、ガソリン・エンジンをベースとしたプラグイン・ハイブリッドも追加設定される予定でいる。これは9.9kWhのリチウム・イオン_バッテリーを持つ108psの電気モーターと、156psの1.4ℓのガソリン・エンジンとの組み合わせで、合計208psのパワーを持ち、モーターのみで50km、合計の航続距離は1000kmほどとなる。
更に、フォルクスワーゲンでは、このパサートに15度の挟角を持つ3.0ℓV6ターボ・ユニットを搭載する計画も持っている。新しいVR6エンジンだ。
装備としては、360°パーキング・アシスト・カメラ、自動停止ブレーキ・アシスタントなどが用意される。
この新しいパサートは、発売当初からサルーンとエステート、2つのボディ・スタイルが販売され、2015年には第3世代のCCも加えられることとなる。ちなみに、フォルクスワーゲンは、1972年にパサートを発表して以来、約2,200万台のパサートを販売している。