英国に新グレード登場 ホンダ・ジャズ(フィット) ハイブリッドへ試乗 適度にリフレッシュ

公開 : 2022.06.04 08:25

ホンダの小型ハッチバック、欧州版フィットに新グレードが追加。好印象なシャシーや実用性を、英国編集部は評価します。

縮小傾向にある欧州でのホンダ

2021年に英国の生産拠点を閉鎖したホンダ。それが影響してか、欧州市場での販売台数は減少傾向にある。英国のモデルラインナップも、大幅に削られてしまった。

それでも、ホンダらしさが残された小さなハッチバックには、今後も末永く走り続けられるだろうという安心感がある。そんなジャズ(フィット)に、新しいトリムグレードが追加された。

ホンダ・ジャズ(フィット)1.5 i-MMDハイブリッド EXスタイル (英国仕様)
ホンダ・ジャズ(フィット)1.5 i-MMDハイブリッド EXスタイル (英国仕様)

英国市場では、従来はベーシックなEXとクロスオーバー風のクロスターしか選べなかったのだが、新しくEXスタイルが追加となった。今回は、そのジャズへの試乗だ。

EXスタイルでは、ドアミラーやリアスポイラー、ルーフなどがブラックで仕立てられ、ボディサイドには黒い樹脂製のガーニッシュが追加される。16インチのアルミホイールも専用品となり、タイヤは185/55のサイズを履く。

ジャズ EXスタイルの英国価格は2万5940ポンド(約415万円)から。注目を集めるほどの変化ではないことも事実だが、主なライバル、トヨタヤリスよりお高めなことも変わらない。ヤリス・エクセルの英国価格は、2万3790ポンド(約380万円)からだ。

ただし、カッコいいツートーンカラーのアルミホイールが標準装備だし、CO2の排出量は84g/kmと良好。ヤリスの98g/kmより少なく、英国では税制的に有利でもある。

意外に市街地でノイジーなハイブリッド

インテリアは、通常のジャズと変わらず。アップルカープレイとアンドロイドオートに標準で対応する、9.0インチのタッチモニターがダッシュボードに用意されている。

うれしいことに、オーディオのボリュームとエアコンの温度調整は、実際に押せるハードスイッチで扱いやすい。ステアリングホイールにも多くのボタンが並んでおり、運転中に腕を伸ばす場面を少なくしている。

ホンダ・ジャズ(フィット)1.5 i-MMDハイブリッド EXスタイル (英国仕様)
ホンダ・ジャズ(フィット)1.5 i-MMDハイブリッド EXスタイル (英国仕様)

シャシー中央にガソリンタンクを搭載したことで、リアシートの座面を持ち上げられるという、ジャズならではのレイアウトも特徴。リアハッチ側の荷室はそれほど広くないものの、日常的なスーパーへの買い物や小型犬のお散歩には困らないだろう。

ホンダのハイブリッドは、ツインモーター式。駆動用モーターと、スターター・ジェネレーター(ISG)で構成されている。自然吸気の1.5L直列4気筒エンジンとのシステム総合で、最高出力108ps、最大トルク25.8kg-mを発揮する。0-100km/h加速は9.9秒だ。

市街地向けに設計されているであろうコンパクト・ハッチバックだが、ジャズの場合は不思議とこの環境でノイジー。エンジンの回転には若干ザラツイた印象があり、ノイズも明確に聞こえてくる。

赤信号で止まっている時にエンジンが始動すると、意外と大きいアイドリング音が車内に届く。しかし、60km/hを超えた辺りから印象が改善。走行音などに紛れて、気にならなくなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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