メルセデス・ベンツEQB 詳細データテスト 成熟の走り 航続距離は不足 7座不要なら必然性は低い
公開 : 2022.05.28 20:25 更新 : 2022.06.21 04:50
内装 ★★★★★★★★☆☆
英国仕様のEQBは、3列7座が全車標準装備となる。しかし、諸元表を詳細に検分すると、小型のMPVやSUVはほとんどがそうであるように、3列目は子ども用と思ったほうがいいサイズだということがわかる。
メルセデスが自ら、3列目の乗員は身長165cmまでに制限されるとしているが、この見立てはなかなか正確だろう。ヘッドルームの実測値はGLBと同じく840mmで、これはスコダ・コディアックの820mmは上回るが、フォルクスワーゲン・トゥーランの880mmには及ばない。
2列目シートが前方へチルトできるので、3列目へのアクセスは、ローティーンくらいまでなら問題はないだろう。また、前後に140mmスライドできるので、荷室を犠牲にすればレッグルームを拡大できる。
ISOFIXのチャイルドシート用アンカーは、後方5席のうち4席に備わる。これは、もっと大きな7シーターでも珍しいことだ。いっぽうで、その5席をすべてたたんだ2名乗車アレンジでは、前席直後までに1.8mの長尺物を積むことができる。ちなみに、コディアックは1.9mだ。
運転席からの視界は良好で安心感があり、高さのあるグラスハウスは全方位の視認性を高めている。標準装備のシートはクッションの長さ調整があり、脚が長くてもサポートしてくれる。ステアリングコラムはマニュアル調整式で、ポジション合わせは楽だ。
マテリアルの質感は、見栄えも手触りも良好だ。メルセデスが好んで使うサテン仕上げのクロームや艶のあるブラックのプラスティック、色を選べるアンビエントライトが備わり、豪華できらびやかなラグジュアリー感を好むユーザーにはぴったり。ピカピカした派手さに満ちている。
ドアポケットやセンターコンソールの小物入れは多く、キャビン中央のそれはフタ付きなので、置いたものを周囲の目から隠せる。そうしたもろもろを考えれば、インテリアは雰囲気が魅力的なだけではなく、大人数の家族で使える便利でフレキシブルでもある。
この価格帯においては、もっとも広いスペースを持つ7シーターとはいえないかもしれない。しかし、ボディサイズと考え合わせれば、室内のスペースと使い勝手は大きなセールスポイントだ。