才色兼備なイタ車 ランチア・ベータ HPE/クーペ/スパイダー 英国版クラシック・ガイド 前編
公開 : 2022.06.12 07:05
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過去にランチアでメカニックをしていたという、スティーブ・ダッジ氏。走行距離の短いベータを入手して以来、ぞっこんだ。「19年間、ベータ・スパイダーを所有しています。このヴォルメックスも同時期に購入しましたが、走行距離は6万km足らずです」
「ほかにもS1のクーペとサルーンも所有しています。そちらは、1万6000km以下。ヴォルメックスのHPEもありますよ。まだ安かった時代に購入し、楽しんできました」
「スパイダーを買った金額は700ポンドだったと記憶しています。最初の車検は問題なく通りました。現在は徹底的にレストアしている途中で、90%くらい仕上がっています」
「価格の高騰はあまり歓迎しませんね。ベータに乗るのが好きで、妻のアマンダと地元でオーナーズクラブのミーティングを定期的に開いています」
「ボンネットを強く叩くと、プラスティック製のクリップが割れることがあります。VXのレカロシートのロゴや、ウインドウ周辺の黒い塗装を磨きすぎると、傷んでしまうので要注意です」
「英国にはベータの部品を販売している専門ショップがあり、殆どのものが購入可能です。スーパーチャージャーのベアリングも1度入手困難になりましたが、そこが再制作してくれました」
英国で掘り出し物を発見
ランチア・ベータ HPE 1600
登録:1981年 走行:2万6561km 価格:1万3500ユーロ(約182万円)
イタリアから英国へやって来たHPE。1979年からベータという名称が省かれ、H.P.エグゼクティブと呼ばれるようになった世代の1台。スチールホイールにシングルミラー、ウェーバー・キャブレターという質素な1600だが、状態は良いという。
コンクール・コンディションと売り主は説明するものの、エンジンルーム内の仕上げは必要とのこと。インテリアのクロスの状態は素晴らしい。走行距離は短く、このコンディションでこの価格は珍しいだろう。
ランチア・ベータ・クーペ 1600
登録:1981年 走行:13万5100km 価格:6500ポンド(約104万円)
売り手によると、状態は改善できる余地があるとのことだが、見た目の良いベータ1600だ。グレーのインテリアはきれいに保たれ、ステンレス製のバンパーも艶がある。レッドのボディも美しい。
タイミングベルトは約1500km前に交換されたばかりで、走りは良好とのこと。その時点でメカニズムも整備されている。ボディにはいくつかサビが見られるようだが、気兼ねなく乗れる状態の良いベータをお探しなら、格好といえる1台だろう。
中古車購入時の注意点などは後編にて。