RAV4って何? ゴルフはスポーツじゃない? 意外と知らない「車名」に込められた意味 23選

公開 : 2022.05.28 06:05

シボレーカマロ

シボレーが1967年に「カマロ(Camaro)」を発売した当時、ほとんどのモデルに「C」で始まる名前が付けられていた。シボレーのブランディング・チームは、カマロ開発時にCから始まる2000語のリストを作り、その中にいくつか自作したものもあったと言われている。カマロもその1つだ。

カマロにはスペイン語のような響きがあるが、実はどの言語でも意味をなさない。シボレーは、新型カマロの発表会に出席したジャーナリストに対して、「カマロはマスタングを食べる、小さくて凶暴な動物だ」と語ったのは有名な話。

ライバルを意識したネーミングは珍しくない。ライバルが動物の名称を使っている場合、その天敵の名称を採用することもある。
ライバルを意識したネーミングは珍しくない。ライバルが動物の名称を使っている場合、その天敵の名称を採用することもある。

クライスラーPTクルーザー

「PTクルーザー(PT Cruiser)」の意味については専門家の間でも意見が分かれており、命名したクライスラーもこの件に関しては一切明らかにしていない。PTは「パーソナル・トランスポート」を意味するという説もあれば、「プリムスのトラック」を意味するという説もある。

どちらも説得力のある説だ。PTクルーザーは間違いなくパーソナル・トランスポート(個人の乗り物)の一種であり、プリムスから発売される計画もあった(発売前にプリムスブランドは廃止)。また、PTはこのモデルのプラットフォームの名称でもある。

車名の由来がはっきりとしないクルマはいくつかある。想像は膨らむばかりだ。
車名の由来がはっきりとしないクルマはいくつかある。想像は膨らむばかりだ。

シトロエン2CV

シトロエンは、「2CV」を飾り気のないベーシックなクルマとして考えていたため、ネーミング方法もごく単純。クリエイティブな才能を持つ人にキャッチーなネーミングを考えてもらうなんて、明らかに論外であった。

このクルマに搭載される375ccのフラットツインエンジンが、フランスの制度では2馬力(chevaux-vapeurs)であることから、2CVと呼ばれるようになったのだ。その後、602ccの大型エンジンを搭載したモデルは3馬力にパワーアップしたが、3CVと呼ばれることはなかった。

車名やメーカー名の「読み方」も人ぞれぞれ。日本では、2CVは「ツーシーブイ」や「ドゥシュヴォ」と読まれることが多い。
車名やメーカー名の「読み方」も人ぞれぞれ。日本では、2CVは「ツーシーブイ」や「ドゥシュヴォ」と読まれることが多い。

シトロエンDS

シトロエンの「DS」は、一見したところアルファベットをランダムに並べただけのように見える。頭文字ではないが、まったく意味がないわけでもない。フランス語でDSは「デエス(Deesse)」と発音され、直訳すると「女神」という意味だ。まさに路上の女神と呼ぶにふさわしい車名である。

1974年にDSの後継として発売された「CX」は、空気抵抗係数を意味する言葉から命名された。その空気抵抗係数は0.36と、1970年代としては立派な数値である。BMW Z3 Mクーペ(0.37)や初代マツダロードスター(0.38)よりも優れているのだ。

DSは、今や単一のモデルにつけられる車名ではなく、シトロエンから独立したブランド名となっている。
DSは、今や単一のモデルにつけられる車名ではなく、シトロエンから独立したブランド名となっている。

また、エントリーモデルである「ID」は、フランス語で「アイデア」を意味する「イデ(idee)」と発音が似ていることから、このように名付けられた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

おすすめ記事

 

人気記事