RAV4って何? ゴルフはスポーツじゃない? 意外と知らない「車名」に込められた意味 23選

公開 : 2022.05.28 06:05

マツダMX-5ミアータ(ロードスター)

「MX-5」は、マツダの人気車種「ロードスター」の海外における呼称である。国際的には、こちらの方がよく知られた名前だ。MX-5とは、「Mazda Experimental project number five(5)」の頭文字をとったもの。「ミアータ」は、ドイツ語で「報酬」を意味する古語に由来する。

ミアータが魅力的な走りを提供することで購入者に報いるのか、それともそのために努力したドライバーへのご褒美なのかは、解釈次第である。

英語圏では、いわゆる幌付きのオープンカーを「ロードスター(Roadster)」と呼ぶことが多い。
英語圏では、いわゆる幌付きのオープンカーを「ロードスター(Roadster)」と呼ぶことが多い。

メルセデス・ベンツEクラス

メルセデス・ベンツでは、Eクラスが登場する以前から、いくつかのモデルに「E」という接尾語が付けられていた。このEは燃料噴射装置(フューエルインジェクション、ドイツ語でEinspritzung)の存在を示すもので、エンジン排気量を表す数字の後につけられた。例えば、「280E」は2.8Lの燃料噴射式エンジンを搭載している。

1994年、メルセデスの命名法はエンジンのサイズではなく車体形状を基準にしたものに変わり、W124は初代「Eクラス」となった。その時点ですでに全車に燃料噴射装置が導入されていたが、エントリーモデルのCクラスと上級モデルのSクラスの間に位置する中級モデルとして、アルファベット順の都合で「E」が選ばれたのである。

「E」という文字は古くからメルセデスで愛用されてきたが、現在と過去ではその意味合いは大きく異なる。
「E」という文字は古くからメルセデスで愛用されてきたが、現在と過去ではその意味合いは大きく異なる。

メルセデス・ベンツGクラス

1979年、メルセデス・ベンツはGクラスをドイツ語で 「ゲレンデヴァーゲン(Gelandewagen)」と呼んだ。直訳すると「クロスカントリー・ビークル」。よく使われるGワーゲンやゲレンデの愛称はここから来ている。前述のように1994年に命名法が一新された際、「Gクラス」となった。

メルセデス・ベンツGクラスが「ゲレンデ」と呼ばれるのは、もともと「ゲレンデヴァーゲン」だったから……というのはあまりにも有名な話。
メルセデス・ベンツGクラスが「ゲレンデ」と呼ばれるのは、もともと「ゲレンデヴァーゲン」だったから……というのはあまりにも有名な話。

日産キャシュカイ

日産が欧州で販売する人気SUV「キャシュカイ(Qashqai)」。人類学の本を開くと、キャシュカイはイランのザグロス山中に住むトルコ語を話す遊牧民であることが書かれている。

どうしてこの名前がSUVに使われるようになったのかは誰にもわからないが、おそらく「響きがクールだったから」というのが答えだろう。中国仕様車の「逍客」も遊牧民という意味を持つ。

日本では1代限りで終わったデュアリスだが、欧州ではキャシュカイとして進化を続け、日産の販売を支える主力モデルとなっている。
日本では1代限りで終わったデュアリスだが、欧州ではキャシュカイとして進化を続け、日産の販売を支える主力モデルとなっている。

発音しにくい名前を嫌う傾向がある米国では、キャシュカイではなく「ローグ・スポーツ(Rogue Sport)」(写真)と名付けられた。ちなみに、キャシュカイの初代モデルは日本国内でも「デュアリス(Dualis)」として販売されていたが、これは「2つの性質」を意味するラテン語に由来する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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