欧州で人気のクロスオーバーが一新 キア・ニロ EVへ試乗 航続距離460km 前編

公開 : 2022.06.08 08:25

航続距離は初代から僅かに延び460km

テールライト部分がボディ後端から飛び出し、後方へ効果的に空気を流すデザインになっていることもわかる。シャシー底面はほぼフラットに仕上げられ、空気抵抗を示すCd値は0.29と低い。車高の高いクロスオーバーとしては、褒められる数字だろう。

モデルチェンジと呼べる改良を受けているが、土台とするアーキテクチャは初代と同じKプラットフォームで、その進化版となる。従来より幅が広げられつつ、高張力鋼の使用量を増やすことで、20kgの減量につなげている。

キア・ニロ EV プロトタイプ(欧州仕様)
キア・ニロ EV プロトタイプ(欧州仕様)

サスペンションは、リア側が新しい4リンクの独立懸架式。フロントはモデルチェンジ前と同じく、マクファーソンストラット式となる。

2代目ニロ EVで現在選べる駆動用バッテリーは、64.8kWhのリチウムイオンのみ。フロア下に敷き詰められている。航続距離は初代から数km延びて、460kmがうたわれている。

急速充電能力もアップデートされており、最大85kWにまで対応。残り10%から80%まで、最短43分でこなすことができる。

駆動用モーターは、初代と同じ203psのシングルで前輪を駆動。キアの技術者はトラクション・コントロールの介入を抑えるために、回転直後から発生していた25.9kg-mという最大トルクのカーブを、穏やかに調整したという。

その効果は顕著で、ニロ EVはアクセルペダルの操作に対して漸進的に加速するようになった。フロントタイヤへ掛かるトルクによってステアリングホイールへ振動や力がかかる、トルクステアもだいぶ解消している様子だ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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