復活のデロリアン、新型「アルファ5」発表 DMC12の精神を引き継ぐEVクーペ 2024年生産開始予定
公開 : 2022.05.30 20:25
デロリアン・モーター・カンパニーが新型アルファ5のプロトタイプを発表。航続距離480kmのEVクーペです。
ブランド復活の先駆けとなる高級EV
デロリアン・モーター・カンパニーから、新型アルファ5のプロトタイプが発表された。映画への出演で有名な1981年のデロリアンDMC12とは大きく異なる、現代的なEVクーペである。
デロリアンは1982年に倒産したが、1995年にブランドと社名の権利を取得したスティーブン・ウィンが同名の会社を設立し、修理用部品などを販売してきた。現在はテスラなどのEVメーカーで経験を積んだヨースト・デ・フリースが権利を取得し、CEOに就任している。
オリジナルのDMC12は、ウェッジシェイプなシルエットとコンパクトなボディが特徴だったが、新型アルファ5は、これと一線を画すスポーツカー風のプロポーションを持ったEVクーペとなっている。今年8月に一般公開され、2024年に生産が開始される予定だ。
デフリースCEOはAUTOCARに対し、「メルセデスAMG GTやポルシェ・タイカンに匹敵する性能を持つが、EVよりも内燃機関を使う人たちに向けたもの」と語っている。
0-97km/h加速は約3.4秒、最高速度は240km/hに達し、航続距離は米国のEPAサイクルで480km以上になると見込みだという。デフリースCEOは、プラットフォームやパワートレインの詳細については口を閉ざし、次のように述べるにとどめた。
「クルマの製造は外部に委託し、イタリアで行います。パワートレインに関しては、英国にパートナー企業がいます」
スタイリングはイタリアのデザイン会社が担当
当初は88台の限定生産モデルが販売される予定だ。この数字は、DMC12が出演した1985年のSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、タイムトラベルに必要なスピードである時速88マイル(約140km/h)に由来する。
公道走行はできず、サーキットでの使用にのみ適する。その後、少数ではあるが、公道走行可能なモデルが販売される予定となっている。
アルファ5の技術的な詳細はまだ明らかにされていないが、デザイン面ではオリジナルのDMC12から影響を受けている。
前後のスリムなラップアラウンド型ライトバーは、デロリアンブランドの伝統を象徴するものだ。リアウィンドウ上のルーバー、タービン風のホイールデザイン、ガルウィングドアは、オリジナルから受け継いだ特徴的な部分である。
アルファ5のスタイリングは、DMC12を手がけたジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタリアのデザイン会社、イタルデザインが担当している。