中国発EVが英国上陸 その名も「ファンキー・キャット」 果たして売れるのか?

公開 : 2022.06.01 06:05

コネクテッド機能や運転支援システムも充実

前後LEDライト、10.25インチ高解像度スクリーン、リアパーキングセンサー、顔認識機能、運転支援システムなども用意される。今後、スポーティな上位グレードも販売されるが、高出力のパワートレインが設定される予定はまだないという。

アプリを使用すれば、クルマから離れた場所でもさまざまな機能を操作することができる。無線アップデート機能も搭載し、車載OSは常に最新の状態に保たれる。ORAは、車載OSの処理能力の高さを特徴の1つに掲げており、高性能の半導体によって各機能や運転支援システムを制御しているという。

ORAファンキー・キャット
ORAファンキー・キャット    長城汽車

ORAブランドがどのような体系で販売されるかは未確定だが、実店舗とデジタル販売を両方取り入れたものと考えられる。

長城汽車は、英国で年間5万台のファンキー・キャットを販売することを目標としている。来年には別のモデルを投入し、最終的にはハッチバックとSUVによるラインナップを構築する計画だ(その一部は中国ですでに販売されている)。

英国市場のニーズに応えられるか?

ファンキー・キャットの走りの実力がどのようなものかは、今後数か月で判明するはずなので、英国での成否についての予測を述べることは控えるが、ORAは自信を隠さない。

ORAブランドの幹部は、英国で発売されるのにベストな時期だと述べている。欧米では、中国製品の品質に対する悪いイメージが解けてきており、以前と比べて最初の障壁は低いと言える。

ORAファンキー・キャット
ORAファンキー・キャット    長城汽車

英国市場における価格、航続距離、装備レベルなどを考慮すると、「ライバル」と仮定できるEVは数多く挙げられる。それらと販売チャートのトップを争うことは間違いなさそうだ。多用途性と日常的な使い勝手を重視しているため、まだEVに乗り換えていない人も含め、通勤やファミリー層、企業にもアピールできるだろう。

フォルクスワーゲンヒョンデから顧客を引き離すという気の遠くなるような作業をはじめ、ORAブランドが克服すべき障害は数多くあるだろうし、ファンキー・キャットのレトロフューチャーなスタイリング(ちょっとぎこちない……)もすべての人の好みに合うとは限らない。しかし、価格設定やインテリア、そして5年保証を標準とするアフターサービスなど、購入検討に値する材料は揃っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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