PHEVにも容赦ない「攻撃」 EU、新たな排ガス規制を検討 消費者負担増の可能性も

公開 : 2022.06.01 06:25

PHEVはもう「エコカー」とは呼べない?

自動車メーカーは、PHEVに対するEUの攻撃的な姿勢に驚いているようだ。メーカーが当初期待していたのは、今回提案されたUFの約半分の値だ。

このようなEUの姿勢はどこから来るのか。それは、2015年の「EU6」導入時に遡る。当時、PHEVは常にバッテリーを満タンにして走り出すと想定されていた。しかし、実際には、ICEモードでの走行距離が予想よりも多かったのだ。

欧州では節税のために一般企業がPHEVを導入するケースも多いが、コンセントで充電するなどメーカーの意図したとおりに使用されていない現実があるようだ。
欧州では節税のために一般企業がPHEVを導入するケースも多いが、コンセントで充電するなどメーカーの意図したとおりに使用されていない現実があるようだ。

多くのPHEVドライバーが減税や補助金の恩恵を受けていながら、ほとんど電気で走っていないのではないかという疑惑が持ち上がって以来、環境ロビイストはPHEVに厳しいCO2規制を課すキャンペーンを展開してきた。

規制の指針とするために、EUは、EU域内の数百の企業および個人のPHEVドライバーからフィードバックを得て、現実における使用実態のデータ収集を開始した。

これらのデータの初期分析によると、PHEVの個人所有者は、企業よりも定期的に充電する傾向があることがわかった。つまり、企業の社用車として使われるPHEVの多くは、ICEモードでの走行距離が長いということだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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