メルセデスAMG F1エンジン搭載の新型ハイパーカー公開 史上最速ハイブリッドマシン
公開 : 2022.06.01 20:05 更新 : 2022.06.01 20:14
メルセデスAMGは、コンセプトから5年を経て、新型ハイパーカー「ワン」を完成させました。最高出力1063ps、最高速度352km/hを誇ります。
AMG史上最もパワフルな市販モデル
メルセデスAMGは、F1にインスパイアされた新型ハイパーカー「ワン(ONE)」を公開した。今年後半に納車を開始する予定だ。
2017年のフランクフルト・モーターショーで発表されたコンセプト「プロジェクト・ワン」をもとに開発。F1向けに開発された1.6L V6エンジンに4基の電気モーターを組み合わせ、合計出力1063psというAMG史上最もパワフルな市販モデルとなっている。
最高速度は352km/hに制限されているが、1997年のメルセデス・ベンツCLK GTRの344km/hを上回っており、同社史上最速の市販モデルである。
新型AMGワンの開発には、メルセデスの市販車部門と英国に拠点を置くF1チーム、そしてAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ部門が密接に関わっている。
予定生産台数は275台以下、価格は275万ドル(約3億5600万円)から。当初は2019年の発売を予定していたが、F1向けエンジンの排ガス規制や高度なエアロダイナミクス開発に難航していた。
メルセデス・ベンツのオーラ・ケレニウスCEOは最近、「会議の議事録を確認する必要がありますが、(ワンの)開発を承認したとき、わたし達はきっと酔っぱらっていたのでしょう」と、冗談を飛ばしている。
高度なエアロダイナミクス設計
車体のベースとなるのは、スチール製ロールバーを内蔵したカーボンファイバー製モノコックだ。このモノコックが、ハイブリッド・パワートレイン用の大型リアサブフレーム構造と、カーボンファイバーおよびチタン製のリアシャシーを支えている。
スタイリングは、2017年のコンセプトをほぼ忠実に踏襲している。しかし、5年間の開発期間の中で、高い性能目標を達成するためにあらゆる面が刷新された。
カーボンファイバーと複合プラスチックを組み合わせたボディは、最大限のダウンフォースを発生させるために開発されたものだ。また、フロントエンドの冷却ダクト、フロントフェンダー上部のルーバー、伸縮可能な2ピースのリアウィングなど、可動式エアロパーツを多数装備している。
走行中、エアロダイナミクスのレベルを3段階に調整できる。ダクトとルーバーを閉じ、リアウイングを格納した「ハイウェイ」、ダクトとルーバーを開き、リアウイングを伸ばした「レースマックス・ダウンフォース」、ダクトとルーバーを閉じ、リアウイングフラップを格納した「レースDRS(ドラッグリダクションシステム)」だ。
ノーズには大型ダクト、キャビンには弧を描くエアボックス、リアにはエンジンルームから熱気を排出する大型エクストラクターが装備され、デザイン的にも重要な役割を果たしている。
ホイールはセンターロック式で、フロント19インチ、リア20インチを採用。素材は鍛造アルミニウムが標準だが、オプションで鍛造マグネシウムも選択できる。タイヤは特注のミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2R M01を装着する。