都市部ユーザーに理想的 レクサスUX 300e(3) 長期テスト 気になる点も幾つか

公開 : 2022.06.12 09:45

レクサス初の純EV、UX 300e。プレミアム・ブランド初の電動モデルの実力を、数か月かけて検証します。

積算4221km 充電器の検索にナビは不可欠

英国仕様のレクサスUX 300eの場合、アップル・カープレイでグーグル・マップを利用できるものの、ナビが装備されるのは5万1345ポンド(約821万円)するトップグレードのタクミのみ。日本とは異なり、それ以下のグレードには装備されない。

純EVの場合は特に、ナビは必要不可欠。残りのバッテリー量が怪しい時は、付近の充電器を探すうえで欠かせないからだ。

レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)

積算5016km ステアリングの調整範囲

レクサスUXは、太いCピラーと高めのウエストラインが影響し、斜め後方の視界が良くない。だがバックカメラとセンサーが付いているから、駐車時などでもほぼ困らない。

ステアリングホイールの位置調整も、背の高いドライバーにはもの足りない。筆者の身長は185cm位あるのだが、ベストと感じるポジションへ、ステアリングホイールの高さを設定できない。こちらは我慢するしかない。

レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)

積算6427km 都市近郊とも相性が良い

レクサスUX 300eでの通勤が始まってから数か月。快適な印象は変わらない。純EVは加速が鋭い一方、回生ブレーキでエネルギーを回収できるため、渋滞や信号の多い区間でも
効率的で滑らかに運転できる。

地方に住む筆者の場合は、通勤ルートの殆どが高速道路と主要な幹線道路。市街地を走る距離は短い。それでも立体駐車場や交差点では、コンパクトなボディサイズと小回りの良さで、扱いやすいと感じる。

レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)

さらにコンパクト・クロスオーバーのUX 300eは、都会で暮らすユーザーとも相性が良いようだ。先日、ロンドン郊外に住むAUTOCAR英国編集部のスタッフ、ダレン・ジョーンズへクルマを貸したのだが、とても高く評価してくれた。

ダレンは現在、次に乗るべきクルマを検討中。レクサスNXやUXも、候補の1つらしい。

快適な乗り心地と広々とした車内空間

彼の選択上の条件は、快適で、電動化技術が搭載されていて、プレミアムなSUVであること。都市部での運転のしやすさも、大切な要素だとしている。確かにこれらの項目は、レクサスUX 300eにもピタリと当てはまる。

UX 300eの快適な乗り心地と、広々とした車内空間をダレンは気に入ったらしい。比較的短めの航続距離も、ロンドン郊外に住む彼なら大きな問題ではない。英国の家庭用コンセントなら、一晩で1週間分の電気を蓄えられるとのこと。

レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)

英国の3ピン・コンセントなら、1時間当たり約11kmぶんの電気を駆動用バッテリーに充電できる。帰宅してから翌朝までに、135km相当の電気は問題なく蓄えられる計算になる。近距離通勤している彼にとって、充分以上の距離だといえる。

いつくかの不満もあった。ラグビー・チームに加わっている子供がいる彼の場合、白いインテリアは避けたいとのこと。インフォテインメント・システム用のトラックパッドは、使い勝手が良いとは感じなかったらしいが、筆者も共感する。

インテリアの雰囲気と調和しているものの、タッチモニターの方が遥かに使いやすい。移動中でも、簡単な操作ならこなせるだろう。生憎、タッチモニターを英国で選べるのはトップグレードのタクミのみなのだ。

とはいえ、検討候補から脱落するほどのマイナスポイントではないという。英国価格を考えれば、装備されていても当然に思えるが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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