最強は? バイデン大統領/プーチン大統領/習近平主席の「専用車」 比べてみた
公開 : 2022.06.08 06:05
バイデン大統領とともに来日した専用車「ビースト」。実は中露も専用車を持ち込んでいます。各国首脳専用車を解説します。
米中露は毎回専用車を持込み
5月22日から2泊3日の日程で第46代アメリカ大統領ジョー・バイデン氏が大統領就任後、初めて来日した(副大統領としては2013年に来日)。
日本を訪れたバイデン大統領が乗るクルマは、「キャデラック・ワン」とも呼ばれ、愛称は「ビースト」(野獣)。
2018年9月にデビューした3代目ビーストの来日はこれが3回目となる。
現行ビーストが初めて日本の道路を走ったのはトランプ大統領時代の2019年5月。
2回目はその1か月後に開催されたG20(大阪で開催)だった。
3回目となる今回はバイデン大統領の専用車として前回どおり2台の同じ外観を持つビーストがアメリカから専用機に載せられて持ち込まれた。
アメリカのほかにロシアと中国も国のトップである大統領や国家主席が移動をする際には「専用車」がお供するのが一般的だ。
専用の輸送機に載せられて運ばれており、首脳を乗せた専用機が到着する前にスタンバイして出迎える。
専用車のほかに警護車や衛星通信車、専用の救急車など多数の随伴車両も同じく輸送機に載せられて日本に持ち込まれており、日本の大使館や警視庁が用意する随伴車両とあわせて30~40台の車列が形成されて移動となる。
そして、これらの中で首脳の専用車を含め海外から輸送されてきたクルマには、「無敵」と呼ばれる青い「外ナンバー」が臨時に取り付けられる。
大使館で使う車両などと同様の、あの青いナンバーだ。治外法権ナンバーともいわれており、日本の道路交通法や道路運送車両法とは無関係。
発給元も一般のナンバーが運輸支局であるのに対して、こちらは外務省となる。
国によって、ナンバープレートの上2~3ケタの番号が決められている。
習主席の「紅旗N501」とは?
それでは各国首脳の専用車、ロシア、中国、アメリカの各専用車について紹介しよう。
中華人民共和国の習近平国家主席が自身の専用車として外遊時に使うのは「紅旗N501」というセダンだ。
実は正式な車名が存在せず、「N501」もこのセダンの開発用コードネームといわれている。
国家主席専用のモデルゆえ、正式な車名が存在しないといった方がいいだろう。
紅旗は中国で最初に誕生した自動車メーカー「第一汽車」が展開する高級車ブランドで、1958年に最初のモデル「紅旗CA72」が誕生して以来、長年にわたって中国の要人たちに愛され続けてきた。
中国の高級車を象徴するブランドだ。現在はCA72の流れを汲む保守的な見た目の「Lシリーズ」、そして紅旗の伝統を受け継ぎながらも、よりモダンなテイストを散りばめた「Hシリーズ」の2つに大きく分けられる。
2021年2月に紅旗が日本に上陸した際に、最初に投入されたモデルは後者の中でもフラッグシップに位置する「H9」というセダンであった。
N501のデザインは伝統的な紅旗の見た目を保ちつつも、よりシンプルでモダンなルックスとなっている。
また、窓の形からして、防弾ガラスなのは間違いないだろう。
一般向けモデルではないので公開されている情報は少なく、パワートレインやプラットフォームなどの情報もうわさ程度のものしか存在していない状況となっている。
初めて公の場で確認されたのは2018年7月。習近平国家主席がアフリカのルワンダを訪問した時だった。
ほかのアフリカ諸国を含めた周遊であったが、この紅旗に乗る姿が確認されたのはルワンダ訪問時のみであり、他の国ではBMW 7シリーズや、メルセデス・マイバッハS600プルマンに乗車していた。
日本へは2019年に開催されたG20大阪サミットの際にも、習近平国家主席が乗るクルマとして持ち込まれた。