気高いSUVをお手頃価格で ランドローバー・レンジローバー(L322) 英国版中古車ガイド

公開 : 2022.06.15 08:25

新車時代のAUTOCARの評価は

動力性能は充分以上。V8エンジンは低回転域から滑らかにボディを引っ張り、レブリミットまで質感は失われない。

車内に響くメカニカルノイズは、英国王室御用達としてはやや多め。しかし耳障りに感じることはない。穏やかに運転すれば、心地良い音響に落ち着く。(2002年1月9日)

ランドローバー・レンジローバー(L322型/2001〜2012年/英国仕様)
ランドローバーレンジローバー(L322型/2001〜2012年/英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

3.0Lディーゼルターボの場合は、ターボの異音やミスファイアが生じていないか確かめる。3.6Lディーゼルターボでは、ターボ・アクチュエーターが不調になることがある。

4.2Lのガソリンでは、アイドリング時にスーパーチャージャーから異音がないか確認したい。触媒コンバーターの劣化具合は、排気ガス濃度の測定でわかる。共通して、タイミングベルトの交換時はウオーターポンプの交換も忘れずに。

冷却系

ランドローバー・レンジローバー(L322型/2001〜2012年/英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー(L322型/2001〜2012年/英国仕様)

クーラントのエキスパンション・タンクの状態を確かめる。BMWの4.4Lガソリンエンジンでは、ブロック内のウオータージャケット部分のOリングが劣化し、液漏れすることがある。オーバーヒートの原因にもなる。

トランスミッション

L322型レンジローバーで、最も気をつけたい部分。メーカーはメンテナンスフリーをうたっているが、定期的にフルードとフィルターを交換するのがベター。初期のクルマでは、フロント側のプロペラシャフトにCVジョイントが付いている。

サスペンションとブレーキ

車高調整可能なエアサスペンションは、3段階それぞれに高さを変え、ノイズやエア漏れがないか確かめる。駐車時は、圧力が抜けて一番低くなるのが正解。過去の整備記録を確かめ、エアーコンプレッサーの交換履歴を確認する。

ブレーキング時に、フロント・ウイッシュボーンからコツコツと音が出ないか確かめる。隆起部分を通過した時に、リアハブのブッシュから異音がないか聞き耳を立てる。ブレーキディスクとパッドの残量も、事前にチェックしておきたい。

ボディ

オフロード走行に伴う傷や凹みがないか観察する。テールゲートは錆びることがある。下半分を倒してベンチにできるため、思いも寄らないダメージを受けることも。

知っておくべきこと

トリムグレードは、装備の充実したHSEからヴォーグまで幅広い。英国の場合は、L322型の殆どがディーゼルエンジンで占められている。

安心してこの型のレンジローバーを楽しみたいなら、リコール対応や過去の整備記録が充分なだけでなく、サスペンションや駆動系統がリフレッシュ済みのものを選びたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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