新型ポールスター5 デザインが明らかに 「走り」重視の4ドアEVセダン、ライバルはポルシェ

公開 : 2022.06.07 06:25

ポールスターが開発中のフラッグシップEV「5」の特許申請用画像から、そのエクステリアデザインが明らかになりました。

クーペ風のEVスポーツセダン

欧州知的財産庁(EUIPO)に提出された一連のレンダリング画像から、ポールスターが開発している次期電動スポーツセダン「5」のデザインが明らかになった。

ポールスター5は、2020年に発表されたコンセプトカー「プリセプト」を進化させたもので、クーペ風のプロポーションと長いホイールベースを備えている。このコンセプトの奇抜な特徴であった超薄型デジタルサイドミラーや観音開きのドア、オーバーサイズのアルミホイールなどは、市販化に際し廃止されたようだ。

ポールスター5の特許申請用画像
ポールスター5の特許申請用画像

市販モデルの公式発表は来年末になる見込みだが、ポールスターによると、新しいプラットフォームによって「スーパーカーレベル」のボディ剛性を獲得するという。

開発は英国で進められており、ボルボをベースに派生したものではなく、「ポールスターがポールスターのために開発した」最初のモデルだと、車両エンジニアリング・ディレクターのスティーブ・スイフトは語っている。

ボディは主にボンデッドアルミニウムで構成され、その他の部分は熱間成形、冷間成形、ダイキャスト、押し出しアルミニウムで作られている。ポールスターUKのチーフエンジニア、デイブ・ケインは、このボンデッドアルミニウム構造が「スーパーカーレベルのねじれ剛性を実現し、クラス最高の乗り心地とハンドリング・ダイナミクスの基礎となる」と述べている。

研究開発部門の責任者であるピート・アレンも、「クラス最高レベルのダイナミクスを実現することが5の目標であり、それは構造から始まります」と述べており、ボディは「2ドアスポーツモデルのようなカーボンファイバー・レベルのねじれ剛性」を実現しているとのこと。

ライバルはあのクルマ、でも方向性は別?

明白なライバルとなるのがポルシェタイカンで、ポールスターはベンチマーク目的で開発施設に1台保有していることが分かっている。しかし、スポーツカーのようなハンドリングを追求するのではなく、角のない日常的な快適性を備えたクルマを目指しているようだ。

さらに、モータースポーツに由来するアンダーボディのエアロダイナミクスと、空気抵抗の少ないボディ形状重要なポイントとなっている。パワートレインやバッテリーの詳細については不明だが、フラッグシップモデルであることから高いパフォーマンスが期待できる。スティーブ・スイフトは、バッテリー技術に「興味深いIP(知的財産)」があることを明かしている。

ポールスター5の特許申請用画像
ポールスター5の特許申請用画像

コンセプトの奇抜な要素は削がれてしまったものの、全体的なデザインは維持されている。

ピート・アレンは、「ほとんど同じに見えます。(ポールスターCEO兼デザイナーの)トーマス・インゲンラートの描いた内外装にできるだけ近づけるために努力しています」と話す。

そのために、大きなパノラマルーフも、長いホイールベースと低い車高も引き継がれている。

「(EVとしては)極めて低い車高です。内燃機関車ほどではありませんが、それに近い高さで、しかも下にバッテリーがない。それが特に課題でした」

また、5の開発の大部分は将来のラインナップを念頭に置いて行われている。

新しいプラットフォームには「多くの拡張性」があると、スイフトは言う。「一度の設計でどれだけ多くの空間を使えるか考えてデザインします。未来の一部であることは間違いありません」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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