グラディエーター話題 ジープ×アメリカンBBQ 肉とともに噛みしめるジープの世界観

公開 : 2022.06.08 16:05  更新 : 2022.06.28 08:56

ジープ・グラディエーターの一風変わった試乗会へ参加。BBQのお肉とともにジープの世界観を味わいました。

主役はグラディエーター

今最も注目されているジープ・グラディエーターのプレス試乗会が開催された。

面白いのはその場所だった。

ジープ・グラディエーターは後日……とし、われわれはラングラー・ルビコン・ソフトトップに試乗。
ジープ・グラディエーターは後日……とし、われわれはラングラー・ルビコン・ソフトトップに試乗。    宮澤佳久

新豊洲の駅に近いオープンエアのスポットは、都心でありながらアメリカのど真ん中を横断するルート66を延々と走って辿り着くような乾いた街を連想させる。

しかも「JEEP」と書いてあるひなびたゲートの奥からは、アメリカンBBQのいい匂いがしてくるではないか。

今回の試乗会が一風変わっていたのは場所だけではなかった。

試乗の予約が殺到しており、なんとグラディエーターの枠はすべて埋まっていたのである! 

しかも、もし試乗できてもたったの15分だという!

そこでわれわれはグラディエーターは後日じっくり、ということにして、今回はめずらしい「ショート」を味見することにした。

ラングラー・ルビコン・ソフトトップは1年ほど前に登場した本邦100台の限定車。

原初のジープらしい2ドアの簡潔なモデルで、リアボディは幌になっている。

運転席からの眺めは最強のルビコンそのものだが、ステアリングを切ると、その場でクルクルと回ってしまいそうなほど小回りが利く。

4ドアのアンリミテッドよりホイールベースを550mmも短縮、車重を170kgくらい軽くすると、クルマの性格は完全に豹変するのだということを思い知らされたのだった。

まるでリアルチョロQ? この振り幅を考えると、グラディエーターの変貌ぶりにも期待できるはずだ。

ピックアップとBBQ

「ショート」の試乗が終わると、屋外のテントでプレゼンテーションがはじまった。

ここでの主役はもちろんグラディエーター! というよりジープの歴史全般だった。

「ジープは文化」と熱弁をふるうビリー・ヘイズ氏
「ジープは文化」と熱弁をふるうビリー・ヘイズ氏    宮澤佳久

「『アンリミテッドが爆売れしているので、さらに長いヤツも輸入してみました』ではないんだぞ! ピックアップトラックはアメリカの文化そのものなんだ!」という基礎知識を徹底的にたたき込もうというわけだ。

登壇者の中でわれわれの心を鷲掴みにしたのは、ビリー・ヘイズというジープ好きのアメリカのオジサンだった。

肩書は「ステランティス・インドアジア太平洋地域セールスマーケティングオペレーション上級副社長」というとんでもないものなのだが、口を開けばジープ愛とジョークしか出てこないナイスガイだ。

祖父の代から敬虔なジープ乗りで、つい先頃自分のラングラーの1台を息子に譲ったというビリー。

彼いわく「ピックアップは開拓と自由の象徴。荷台の起源は農作物を運ぶためで、現在でもこの荷台がさまざまな遊び、仕事を可能にしてくれる。だからこそJEEPは、オーナーのライフスタイル(これは『人生』と訳すべきだ)を変えるクルマなんだ!」

そんなビリーがグラディエーターのようなアメリカン・ピックアップトラックと切っても切り離せない「文化」の1つとして今回のイベントで強行(?)したのがアメリカンBBQだった。

彼はイベントの前日に100人分のプルドポークを、自宅で9時間もかけて仕込んできたのだという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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