フレンチな独自性に誘惑される DS 4 E-テンス225 PHEVへ試乗 快適重視のシャシー
公開 : 2022.06.21 08:25
独自色の強いインテリア 気になる点も
高速道路を走らせてみると、車内は静かに保たれ、とても落ち着いている。ドイツ勢に劣らない、上質な素材が用いられたインテリアに浸ることができる。一部、組み立て精度が若干甘い部分も残ってはいたけれど。
内装と操作系のデザインやレイアウトは、DSの独自色が強い。特別な空間に身をおいていると実感する。インテリアの配色は、全体的に暗め。もう少し華やかな差し色があっても、良かったと思う。
幾つか、小さな気になる点も存在する。シート自体は快適なものの座面がフラットすぎ、身長の高いドライバーは快適なドライビングポジションを得にくいかもしれない。
PHEVでは、ブレーキペダルの踏み心地が柔らかいと感じた。反応には、もう少し一貫性があっても良い。アダプティブ・クルーズコントロールの制御も、まだ改善の余地があるだろう。シフトパドルに対する8速ATの反応には、鈍さがある。
インフォテインメント・システムはグラフィックが鮮明だが、反応のスピードが遅め。BMWのiドライブに触れたことがあれば、DSのインターフェイスには不満を抱くかもしれない。
とはいえ、ユーザーの好みに応じてカスタマイズは可能。システム自体はロジカルで、慣れれば扱いにくいとは感じにくいだろう。ドイツ勢へ完全に肩を並べるには、細部までの作り込みが重要ではある。
好感の持てるフレンチ・プレミアム
DS 4の英国価格は、130psの1.2ピュアテックで2万6860ポンド(約437万円)から。試乗したE-テンス225の場合は、パフォーマンスライン・グレードで3万6100ポンド(約583万円)からとなる。
価格設定も、ドイツのプレミアム・ブランド勢を強く意識したものといえる。ただし、オプションを追加していくと、PHEV版の価格はさらに上昇していくが。
あと少し、という点もなくはないDS 4だが、その魅力度は間違いなく高い。価格を踏まえても、オリジナリティの強いデザインをまとったフレンチ・プレミアム・ハッチバックに、筆者は好感を抱いてしまう。
このセグメントの競争は厳しい。だが、新しいDSというブランドの独自性に、誘惑されるという人も少なくないのではないだろうか。
DS 4 E-テンス225 PHEV パフォーマンスライン+(英国仕様)のスペック
英国価格:3万6100ポンド(約583万円)
全長:4400mm
全幅:1830mm
全高:1490mm
最高速度:233km/h
0-100km/h加速:−
燃費:65.1-82.2km/L
CO2排出量:27-35g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:9.9kWh(実容量)
最高出力:227ps(システム総合)
最大トルク:31.1kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック