フェラーリ296 GTS ル・マンで一般公開 最高出力830psのハイブリッド・コンバーチブル

公開 : 2022.06.13 19:45

フェラーリのハイブリッド・スーパーカー、新型296 GTSがル・マン24時間レースの特別イベントで一般公開されました。

フェラーリの最新コンバーチブル

フェラーリは、6月11日に開催されたル・マン24時間レースの特別イベントで、296 GTBのコンバーチブル仕様である「296 GTS」を披露した。最高出力830psを誇るオープントップのハイブリッド・スーパーカーである。

296 GTBとの外観上の違いは少なく、シルエットはほぼ同じ。フェラーリSF90スパイダーと同様の格納式ルーフは、シート後方に新たに設けられたベイに格納される。

フェラーリ296 GTS
フェラーリ296 GTS

フェラーリのスポーツカーモデルのプロダクト・マーケティング・マネージャーであるマッテオ・トルコーニは、ルーフのパッケージングが課題となったと述べている。

「ルーフはスペースが必要なので、バッテリーをどこに置くかが課題でした。しかし、このモデルではバッテリーをさらに最適化し、ラゲッジスペースとしてリアベンチを残したままにしています。これはとても重要なことです」

リアデッキも再形成し、エンジンカバー下部には新しいウィンドウが設けられた。繊細な改良により、「ウィングやサイドと無理なく一体化した極めてコンパクトなキャビン」を実現したという。

気流の影響を考慮しながら、空力効率とダウンフォースもGTBと同等にしている。

3.0L V6のハイブリッド・パワートレイン

ルーフの開閉に要する時間はわずか14秒で、2つのセクションに分かれてエンジンの前部に折り畳まれる。「これにより、エンジンベイの熱放散特性と全体のデザインのバランスが保たれる」とのこと。

パワートレインはGTBからそのまま引き継がれ、最高出力663psの3.0L V6ツインターボと最高出力166psの電気モーターを搭載。合計出力830ps、最大トルク75.5kg-mに高めている。

フェラーリ296 GTS
フェラーリ296 GTS

その結果、296 GTSの0-100km/h加速は2.9秒、最高速度330km/hを達成。乾燥重量は1540kgとGTBより70kg重いが、同等の性能を獲得している。また、電気のみで最大25kmの走行が可能だ。

動力性能はGTBに匹敵し、トルコーニによれば、重量や剛性の違いによるハンドリングとレスポンスの差を感じるのは、サーキット走行での「限界」付近だけだという。

GTSという名称は、1970年代の308 GTSにちなんだもの。トルコーニは、296 GTSは従来のスパイダーよりもタルガに近いとしている。

欧州価格は32万ユーロ(4500万円)となっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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