ストレスフリーのSUV シトロエンC5 エアクロスへ試乗 多くの人へ好相性 小変更

公開 : 2022.06.24 08:25

シトロエンのファミリーSUVがマイナーチェンジ。ブランドらしい快適性や質感を、英国編集部は評価します。

欧州で堅調に売れているC5 エアクロス

フランス製のファミリーSUV、シトロエンC5 エアクロスがマイナーチェンジを受けた。内容は限定的で、お化粧直し程度ではある。それでも、欧州で堅調な支持を集める理由にもうなずける、実力は保たれている。

COVID-19やウクライナ危機など、自動車業界にとっても逆風が強い昨今だが、中型SUV市場は順調に伸びている。C5 エアクロスも、確かな需要に支えられてきた。

シトロエンC5 エアクロ・スシャイン・ピュアテック 130 EAT8(欧州仕様)
シトロエンC5 エアクロ・スシャイン・ピュアテック 130 EAT8(欧州仕様)

マイナーチェンジ前で、32万5000台が世界中の人々へ届けられている。そのうち、24万5000台は欧州市場の各国だという。それだけの人気を集めるモデルがゆえに、あえて大きな手は加えられなかったのだろう。

2022年仕様のC5 エアクロスを観察してみると、フロントグリルとヘッドライト、バンパーなどのデザインが改められ、顔立ちが凛々しくなったのがわかる。クロスオーバーらしい、スキッドプレートの造形にも手が加えられた。

ボディサイドでは、新デザインのアルミホイールを選べるようになった。リアへ回ってみると、立体的に見えるLEDテールライトが新しい。ボディカラーも選択肢が増えている。その結果、従来より注目度も高まったといえる。

感心するのが、しっかり雰囲気をリフレッシュしつつ、ボディパネルの成形型に変更がないこと。基本的なスタイリングは、従来から変わっていない。

上質さを増した利便性に優れる車内

インテリアの変化はボディより大きく、ダッシュボード上部に10.0インチのインフォテンイメント用タッチモニターが据えられた。シフトセレクターは小さなスイッチ状のものになり、センターコンソールへ埋め込まれている。

内装の素材自体も、プレミアム感を高めるために上質なものへ置き換わっている。肉厚で掛け心地の良いシートはクッション材も新しくなり、横方向のサポートが乏しいものの、ソファーのように身体を支持してくれる。

シトロエンC5 エアクロ・スシャイン・ピュアテック 130 EAT8(欧州仕様)
シトロエンC5 エアクロ・スシャイン・ピュアテック 130 EAT8(欧州仕様)

インテリアデザインは、C5 エアクロスのストロングポイント。傷の付きやすそうなプラスティックが低い位置へ用いられているが、高級な雰囲気も漂っている。

インフォテインメント・システムは反応がよく、グラフィックも高精細。ただしエアコンを操作するために、サブメニューを掘り下げる必要があるのは改善を求めたい。運転中の調整は難しい。

車内空間の広さにも、マイナーチェンジ前と大きな違いはない。フラットなフロアで広々としており、実用性に優れたSUVだといえる。小物入れの数も多い。

3名がけのリアシート側にもゆとりがあり、個別に前後スライドとリクライニングが可能。左右の2席には、ISO FIX対応のチャイルドシート・ブラケットも備わる。

荷室容量は、ガソリンとディーゼルなら580Lと広々。PHEVではフロアが高くなり460Lへ小さくなるものの、充電ケーブル用の収納も準備され便利だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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