【詳細データテスト】BMW2シリーズ FRの魅力は健在 220iは日常使いに おすすめは230i

公開 : 2022.06.18 20:25  更新 : 2022.07.11 06:58

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

2シリーズクーペのエントリーモデルである220iの価格は、3万6010ポンド(約594万円)から。現在、新車の後輪駆動クーペを探すと、これより安い選択肢はない。もっとピュアなドライバーズカーかもしれないGR86は3万ポンド(約495万円)以下の設定もあるが、英国仕様は完売してしまった。

後輪駆動クーペという条件をあきらめれば、同じような価格帯で競合しうるクルマは少なくない。一番近いライバルはアウディTTだろうが、ジャガーXE P250やメルセデスCLA 200、また身内のBMW M135i xドライブも、さまざまな理由で魅力的な選択肢となりうる。

220iの残価予想は比較的いいほうだが、販売台数が限定されたGR86には及ばない。
220iの残価予想は比較的いいほうだが、販売台数が限定されたGR86には及ばない。

われわれとしてはより上位の230iがおすすめグレードで、価格は3万9655ポンド(約654万円)。4万ポンド(約660万円)を切るくらいの価格帯となると、フォルクスワーゲン・ゴルフRやアウディS3、メルセデスAMG A35が競合モデル。下位グレードであれば、BMW4シリーズやアウディA5も視野に入る。

2シリーズは安いクルマではないが、後席や荷室の広さを求めなければ、日々付き合いやすい。BMWの保証は3年だが、最新の3シリーズのガソリン車が見せる信頼性は非常に高い。

1週間のテストで計測した燃費は、動力性能テストも含めて、平均12.0km/L。高速道路の長距離巡航では、14km/L以上に達した。

アクティブセーフティシステムについても、ほかのクルマよりずっと不満は少ない。その働きぶりは上々で、実体スイッチで楽に切ることができる。アダプティブクルーズコントロールはオプションで、テスト車には未装備だったが、ほかのBMWで使ってみた経験からすれば、大きな問題は一切なかった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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