ゼロ・エミッションの中型クロスオーバー トヨタbZ4Xへ英国試乗 丁度良い味付け
公開 : 2022.06.28 08:25
滑らかな発進加速 落ち着いた乗り心地
2023年には、電気的にタイヤを操舵するバイワイヤー式のステアリング・システムがオプションで登場予定。その場合、円形に近いステアリングホイールではなく、操縦桿のような上端が切れたものが装備される。
可変レシオで、ステアリングを150度傾ければ最大の舵角が得られる。このシステムなら、メーターは隠れないだろう。果たして、そのフィーリングはどんなものだろうか。
システムをオンにして、bZ4Xを発進させてみる。その印象は、非常にありきたりな表現でお許し頂きたいが、良い。取り立てて悪い部分はない。
四輪駆動のクロスオーバーとしては、急な下り坂をアシストするヒルディセント・コントロールや、岩場などに有効な低速クロール・コントロール、ストロークの長いサスペンションと、500mmの渡河性能を備えている。なかなかの内容だ。
日常的な印象で重要になる、回生ブレーキには2種類の強さが用意されている。しっかり減速するものと、長く惰性走行するものから選べる。静止状態からブレーキペダルを緩めると、内燃エンジンのAT車のように、クリープ走行もする。
発進加速は滑らかで、乗り心地は穏やかで落ち着いている。姿勢制御も良く調整されており、ステアリングホイールの反応は温和。動的能力に長けていそうな雰囲気が漂う。BEVらしく重心が低く、ボディロールは小さい。
トヨタ・ユーザーへ向けた丁度良い味付け
トヨタ初のBEVとなる、bZ4X。このブランドのモデルらしく、とてもまとまりが良いと感じた。
レクサスLFAの開発にも関わったエンジニアが、bZ4Xにもローンチコントロールを与えたという。とはいえ、車重が2060kgもあるクロスオーバーだから、GRヤリスのようには走らない。
しかし、それでまったく問題ない。多くのトヨタ・ユーザーへ向けたモデルとして、丁度良い味付けにあるといえるだろう。
トヨタbZ4X AWDプレミア・エディションのスペック
英国価格:5万1550ポンド(約840万円)
全長:4690mm
全幅:1850mm
全高:1650mm
最高速度:161km/h
0-100km/h加速:6.9秒
航続距離:413km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2060kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:71.4kWh
最高出力:218ps
最大トルク:34.3kg-m
ギアボックス:シングルスピード