マクラーレン 初のクロスオーバー、2030年頃の発売目指し開発中 全固体電池搭載の完全EVか

公開 : 2022.06.15 18:45

軽量スポーツカーの伝統は守られるのか

マクラーレンの新CEOであるマイケル・ライターズは、ポルシェフェラーリという世界で最も有名なスポーツカーブランド2社で21年間を過ごし、ポルシェ・カイエンとフェラーリ・プロサングエの開発にも関わってきた。

ライターズはフェラーリの新型プロサングエについて、「このクルマと技術的なコンセプトには確信を持っている」と語り、真のフェラーリではないとの指摘を一蹴。スポーツカーメーカーが多様化する必要性を強く意識していることがうかがえる。

7月にマクラーレンCEOに就任するマイケル・ライターズ氏
7月にマクラーレンCEOに就任するマイケル・ライターズ氏

しかし、ライターズは量販モデルの開発を進める一方で、エンスージアスト向けの高性能モデルへのこだわりも見せている。最近、AUTOCARの取材に応じたライターズは、電動化時代におけるフェラーリのV12エンジンの将来性について、次のように語っている。

「わたしは個人的に、このエンジンのために戦わなければならないと考えています。技術的な観点からは、最も効率的とは言えません。性能的にはV8ターボの方が優れているかもしれませんが、エモーショナルな観点からは最高なんです」

同時に、フロントアクスルを電動化することでダイナミックな走りを実現し、「パワーが必要なときでも、音は必要ないこともある」など、電動化の利点についても触れた。

しかし、マクラーレンのスーパーカーに250kgの電動パワートレインを搭載するのは「痛い」として、今後も軽量化を追求する姿勢を示している。

「カーボンファイバーの多用と超低重心化(いずれもマクラーレンの得意分野)は、ダイナミクスへの影響を最小限に抑える助けとなるでしょう」

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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