発表から3年 あの軽量スーパーカーはどうなった? ジネッタ・アクーラ開発状況が明らかに

公開 : 2022.06.16 06:05

英国のジネッタは2019年に新型スーパーカー「アクーラ」を公開し、わずか1150kgの軽量ボディで注目を集めました。あれから3年、市販化に向けた開発はまだ続けられているとのことです。

音沙汰なかった新型スーパーカー 開発継続中

英国の自動車メーカー、ジネッタ(Ginetta)は、近日発売予定のG56 GTアカデミーと並んで、新型スーパーカー「アクーラ」の開発を進めている。

2019年に初めて公開されたアクーラは、ここしばらく市販化が不安視される状態が続いたが、今回の発表によりその動向が明らかとなった。

ジュネーブ・モーターショー2019で公開されたジネッタ・アクーラ
ジュネーブ・モーターショー2019で公開されたジネッタ・アクーラ

AUTOCARに送られた声明の中で、ジネッタは「不確実な時期」を経てきたアクーラについて、今後も市販化に向けて開発を続けると述べている。

「当社の焦点は、パンデミックを通じて、新型G56 GTアカデミーとGT4レーシングカーの開発に移行しています。アクーラは、数年前に最初のコンセプトが発表されて以来、開発が続けられています」

「誰にとっても不確かな時期ですが、このような状況の中、当社は英国だけでなく世界の自動車産業を盛り上げるために、競争力のあるレーシングカーを生産することに専念してきました」

「ジネッタを成長させ続けるために、たくさんのエキサイティングな計画が進行中です」

軽量カーボンボディに最高出力600psのV8搭載

アクーラは、最高速度320km/hを誇る新型スーパーカーとして2019年のジュネーブ・モーターショーで発表された。

自動車メーカーは、消費者の期待感を高めるために、正式発表前にニュースや予告画像を流すのが一般的である。しかし、ジネッタはそのような慣例に従うことなく、10年以上かけて培った技術力と、元ル・マンのクラス優勝者であるオーナーのローレンス・トムリンソンに支えられて、新型スーパーカー「アクーラ」を秘密裏に完成させたのである。

ジュネーブ・モーターショー2019で公開されたジネッタ・アクーラ
ジュネーブ・モーターショー2019で公開されたジネッタ・アクーラ

車高が低くアグレッシブなスタイルが印象的な、フロントミドエンジンのクーペで、価格は34万ポンド(約5500万円)とされている。特注のカーボンファイバー製シャシーに、同じくカーボンファイバー製のボディパネルを装着する。

非常に軽量かつコンパクトなバンク角90度のV8エンジン(排気量6.0L強)を搭載し、最高出力約600ps、最大トルク72kg-mを発生。トランスミッションはジネッタが独自に開発した6速シーケンシャルのパドルシフトユニットで、デフはカーボンファイバー製シャフトでエンジン(およびマルチプレートクラッチ)と接続されている。

エンジンはドライサンプ方式を採用。ジネッタ独自のスロットルボディから燃料を供給する。ブロックは全てビレットアルミニウムから削り出され、極めて軽量かつ強靭なものとなっている。

エンジンの社内コードネームはBB6(「6」は600psを意味する)で、トムリンソンはすでにBB10の開発を検討していることを認めている。車重はわずか1150kgで、ミドエンジンのライバルを少なくとも150kgは下回る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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