世界のVIPが愛用する超高級車 16選 女王や政府高官の「アシ」となるクルマたち

公開 : 2022.06.18 18:05  更新 : 2022.06.18 18:23

世界のリーダーたちが使用している「専用車」を紹介します。移動手段であると同時に、威厳や風格、品位を象徴する乗り物でもあります。

VIPの御用達 どんなクルマが選ばれる?

英国のエリザベス女王の即位70周年を祝う式典「プラチナ・ジュビリー」が、6月2日に開催された。その後4日間にわたって祝日となり、バッキンガム宮殿の前には数千人が集まるなど祝賀ムードが広がった。

エリザベス女王は、亡き夫フィリップ殿下(写真)とともに、この数十年の間にさまざまな高級車を所有し、旅をしてきた。世界には、そのようなVIPが大勢いる。

国家元首や政府高官など、「特別」な人々の乗り物を紹介する。
国家元首や政府高官など、「特別」な人々の乗り物を紹介する。

ここでは、世界各地の「リーダー」が使用するクルマを年代順に紹介したい。巨大なもの、風格あるもの、力強いもの、そして悪名高いものなど16台を取り上げる。

シトロエンDS(1955年)

シトロエンDSほど、シャルル・ドゴール将軍に似合うクルマはないだろう。その特異なスタイルはドゴールと相性がよく、彼は指導者時代にこのフランス製サルーンを何台も使用した。

特に、1962年にテロの標的となり、パリ郊外で車列が襲撃された際には、DSのハイドロニューマチック・サスペンションを高く評価している。リアタイヤに銃弾を受け、パンクをしながらも無事に走り去り、大統領を守りきったのだ。

シトロエンDS(1955年)
シトロエンDS(1955年)

ドゴール以降、フランスの指導者たちはプジョールノーを愛用してきた。しかし、現大統領は「プレジデンシャルDS7クロスバック」という豪勢な名前のクルマを使用している。DSは大統領専用車の座に返り咲いたのだ。

ロールス・ロイスファントムV(1959年)

ロールス・ロイスが無限に近いオプションリストを用意しているおかげで、ファントムVは世界中の大富豪にとって「白紙のキャンバス」のような状態となっている。

英国王室が比較的控えめなファントムを所有する一方で、ルーマニアのニコラエ・チャウシェスク元大統領のように、ファントムにすべてを注ぎ込むオーナーもいた。共産主義時代のルーマニアを24年にわたって支配してきたチャウシェスクは、モスクワの指導部からこのような派手なリムジンを返却するように言われ、泣く泣く手放すことに。彼のファントムは個人に売却された。

ロールス・ロイス・ファントムV(1959年)
ロールス・ロイス・ファントムV(1959年)

最も有名なファントムVのオーナーは、国家元首ではなく、音楽界のリーダーであるビートルズのジョン・レノンだろう。彼のファントムV(写真)は、サイケデリックなペイントが特徴的だった。

516台しか製造されていないファントムVに乗ることができた幸運な人々は、3650mmの長大なホイールベースに助けられ、比類ない乗り心地と快適性を楽しんだことだろう。

新開発の6.2L V8エンジンで動力をまかない、4速ATが標準装備され、最高速度は162km/hに達する。オプションの追加重量にもよるが、0-97km/h加速を13.8秒で走破することができた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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