世界のVIPが愛用する超高級車 16選 女王や政府高官の「アシ」となるクルマたち
公開 : 2022.06.18 18:05 更新 : 2022.06.18 18:23
リンカーン・コンチネンタル(1961年)
リンカーン・コンチネンタルは、1963年11月、ジョン・F・ケネディ大統領が乗っていたところを暗殺されたことで、悪い意味で有名になってしまった。この事件をきっかけに、以降の大統領専用車はオープンカーではなくなり、また防弾対策が施されるようになった。
ケネディ大統領が乗っていたオープントップのコンチネンタルも、事件後すぐに固定ルーフに改造された。現在、ミシガン州ディアボーンのヘンリー・フォード博物館(写真)に保管されている。
リンカーンとホワイトハウスのつながりは、1939年、フランクリン・D・ルーズベルトが発注した「サンシャイン・スペシャル」までさかのぼる。1961年には、大統領向けに2台のコンチネンタルが納車され、1台はヘス・アンド・アイゼンハート社によってオープントップに改造された。ルーフの形状は数種類あり、風雨を避けつつも、外から乗員の顔がよく見えるようになっている。
メルセデス・ベンツ600プルマン(1964年)
メルセデスは600を誰にでも喜んで販売したが、600プルマンは単なる富裕層ではなく、政府予算でお腹を満たす人々をターゲットにしたものだ。ロングホイールベースで全長6240mmのプルマンは、4人乗りから9人乗りまで、随行者の人数に合わせてカスタムすることが可能だった。
元オーナーにはローマ法王、ケニア国王、サダム・フセイン、イディ・アミン、ロバート・ムガベなど、あまり好ましくない人物もいる。
600プルマンは複雑なエアサスペンションを装備しながら、最高出力250psの6.3L V8エンジンを搭載し、最高速度204km/hに達する。多くの政府要人に好まれ、1964年から1981年までに2677台が製造された。
ローバーP5B(1967年)
ローバーP5Bは、その控えめなルックスから、英国政府の高官にとって理想的な移動手段である。彼らを甘やかすには十分豪華で、追っ手の報道陣を出し抜く速さを持ちながら、支出面でも有権者を怒らせない目立たないクルマだった。それでも、後のP5Bは防弾ガラスやその他のセキュリティキットで高価にアップデートされた。
3.5L V8エンジンを搭載したP5Bは、ハロルド・ウィルソンをはじめとする首相たちの間で根強い人気を誇っていた。1973年に生産が終了すると、予備のために数台が購入されている。マーガレット・サッチャーは1979年の選挙で勝利した後、このP5Bに乗って首相官邸に入った。ジャガーXJシリーズ2の後席が狭かったため、彼女は1980年代までP5Bを愛用し続けた。