世界のVIPが愛用する超高級車 16選 女王や政府高官の「アシ」となるクルマたち

公開 : 2022.06.18 18:05  更新 : 2022.06.18 18:23

マイバッハ62(2002年)

メルセデスがマイバッハブランドを復活させるという試みは、思い通りにいかなかったかもしれないが、それでも複数の国家指導者がマイバッハ62を専用車として選んだ。ヨルダン国王やタイ国王といった著名人は、今でも移動手段として使用している。

しかし、欧州の国家元首や世界中の王族を顧客としていたが、販売目標台数を達成することはなかった。62は2012年に生産終了したが、現在、メルセデスはSクラスGLSのマイバッハモデルを販売している。

マイバッハ62(2002年)
マイバッハ62(2002年)

トヨタセンチュリーロイヤル(2006年)

マイバッハ62とほぼ同じ大きさで、ロールス・ロイスファントムより重い。わずか4台しか製造されず、5台目はコストの関係でキャンセルされたことから、その希少性は明白であろう。

最初の1台は5250万円だったが、後の2台は防弾仕様のため9450万円となっている。1から5までのナンバーが付けられている(皇1~皇5)が、縁起が悪いとされる4の数字はない。

トヨタ・センチュリー
トヨタ・センチュリー

御料車、つまり皇室のクルマとして、御影石のサイドステップ、布張りのシート、和紙のヘッドライナーなど、驚くべき水準で仕上げられている。ボンネットの下には、最高出力280psの5.0L V12エンジンが搭載されている。

ジャガーXJ(2010年)

ジャガーのXJは、1980年代初頭から英国首相の移動手段として活躍してきた歴史があるが、最も人気があるのは2010年に登場したX351世代だ。1台30万ポンド(約4850万円)前後で、いずれもスーパーチャージャー付き5.0L V8エンジン搭載のセンチネルモデルがベースになっている。

その特徴は、防弾ガラス、防爆シールド、車内酸素供給システム、そして回避技術の訓練を受けたドライバーなど、安全性を高めるためのアップグレードがふんだんに施されていることだ。

ジャガーXJ(2010年)
ジャガーXJ(2010年)

X351を最初に堪能したのはデビッド・キャメロン首相で、歴代の英国首相はすべてジャガーXJに乗り込んできた。しかし、ある1台はマンチェスターでの公務中に縁石に乗り上げ、破損している。

XJは2019年に生産を終了し、後継車種の開発も中止されてしまったため、今後はレンジローバーがこの役割を引き継ぐのではないかと思われる。

ベントレーミュルザンヌ(2010年)

巨大なリムジンと比べると、ベントレー・ミュルザンヌも目立たない存在になる。それもあって、英国をはじめ多くの国々の王族がミュルザンヌを好む。エリザベス女王はミュルザンヌを早くから愛用し、バルモラル・グリーンのカラーリングを施した1台を所有していた。チャールズ皇太子も愛用したほか、妹のアン王女もチャリティ活動のための移動オフィスとして使用している。

ミュルザンヌは、広い後部座席、静かな車内、しなやかな乗り心地を誇る、ロイヤルリムジンとして理想的なクルマだ。また、最高出力512psの6.75L V8ツインターボのおかげで、トラブルから脱出するのに十分な速さを備えている。0-97km/h加速5.7秒と、ホイールベースを延長した2740kgのクルマとしては驚異的な速さである。

ベントレー・ミュルザンヌ(2010年)
ベントレー・ミュルザンヌ(2010年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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