ルノーのシステム搭載 日産ジューク・ハイブリッドへ英国試乗 柔軟性と経済性を追加

公開 : 2022.07.01 08:25

日本未導入の2代目ジュークにハイブリッドが登場。個性的なデザインのクロスオーバーを、英国編集部が評価しました。

小さく軽いジュークで良く機能するHV

ルノー日産のアライアンス関係は、ちゃんと成立しているようだ。次期型ルノー・カジャーは日産キャシュカイ(デュアリス)がベースとなる見込みだし、2代目の日産ジュークには、ルノーがE-テックと呼ぶハイブリッドが搭載された。

ジュークのハイブリッド・システムは、93psの1.6L 4気筒ガソリンエンジンと、48psの駆動用モーター、20psのスターター・ジェネレーター(ISG)が組み合されたもの。トランスミッションは、特殊なクラッチレスの4速ATが採用されている。

日産ジューク・ハイブリッド・テクナ(英国仕様)
日産ジューク・ハイブリッド・テクナ(英国仕様)

システム合計での最高出力は、143ps。基本的にはルノー・キャプチャーなども搭載するもので、その質感は日産独自のシリーズ式ハイブリッド、e-パワーとは異なる。しっかり統合されているが、エンジン主体のハイブリッドらしくもある。

ドライバーは、パワートレインの動作を感知しにくい。エンジンのタコメーターも付いていないし、マニュアルギアも選べない。

ドライブに入れてアクセルペダルを踏めば、ソフトウエアが必要なパワーを発揮するよう、エンジンとモーターを制御してくれる。ルノー・アルカナでは少々非力に感じられたシステムだが、ジュークのように小さく軽いモデルなら、とても良く機能する。

1.0Lターボエンジンで走る通常のジュークよりトルクも太く、全体的に安楽に運転できる。特殊なATを採用することで、トヨタホンダのハイブリッドなどに見られる、CVT特有のラバーバンド感もない。

乗り心地の良い好印象なシャシー

ただし、ダイナミックな印象までは得ていない。うるさいと感じるほどではないが、高負荷時にはエンジンが唸り、アクセルペダルを緩めると回転数が僅かに遅れて落ちる。ダイレクトな運転を楽しみたいとお考えなら、ハイブリッド以外が良いかもしれない。

ジュークのシャシーは、相変わらず好印象。クロスオーバーの中では硬めの乗り心地とはいえ、粗野な振動が伝わってきたり、不快な揺れに襲われることは殆どない。

日産ジューク・ハイブリッド・テクナ(英国仕様)
日産ジューク・ハイブリッド・テクナ(英国仕様)

今回の試乗では、17インチと19インチ、両方のアルミホイールを試すことができたが、大径ホイールの方が若干路面の影響を受けやすいようだった。とはいえ、明確に違いを感じるほどではなかった。

ハイブリッドの獲得に合わせて、ジュークは若干のフェイスリフトも受けている。バンパーやスポイラーのデザインが新しくなり、ホイールの選択肢も増えている。インテリアでは、オーディオがアップデートされ、キーレスエントリーも装備された。

内燃エンジン版とハイブリッド版との見た目の違いは、フロントグリル。メッシュの一部が塞がれている方が、ハイブリッドだ。

インフォテインメント・システムは、従来と同じ8.0インチモニターの継続となった。日産キャシュカイやアリアが採用する、新システムへアップデートする機会だったと思うのだが、使い勝手自体は悪くない。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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