小さなクルマが起こした奇跡 ホンダ・シビックの50年を振り返る 前編 誕生からディーゼル導入まで
公開 : 2022.06.19 10:45
3代目
2代目の発売からわずか4年後、ホンダは3代目シビックを発表した。先代とはまったく異なるデザインで、シャープなスタイルのハッチバックと落ち着いた雰囲気のセダンの2種類を展開した。
また、2つの派生モデルも登場している。バラードスポーツCRXは、シビックのメカニズムにスポーティなクーペボディを組み合わせたもの。シャトル(ワゴン、ワゴバンとも)は背の高い5ドアのワゴンで、前輪駆動と四輪駆動が用意された。
4代目(VTEC搭載)
1987年にデビューした4代目シビック。大型化し、足回りも改良され、セダンとハッチバック、CRX、シャトルが引き続き投入された。
4代目は、ホンダの可変バルブタイミング機構「VTEC」を採用した初めてのシビックでもある。同じエンジンでも、走らせ方によってパワーと経済性を両立させることができる優れものだ。
5代目
4年の歳月を経て、1991年に5代目が発表された。スタイリングは先代を引き継ぎつつ、エッジが削れて丸みを帯びた印象となり、エアロダイナミクスを重視していることがわかる。
ハッチバックとセダンに加え、タルガトップを持つスポーティーな「CRXデルソル」も生まれている。
6代目
6代目は、20世紀最後のシビックである。2ドア・クーペ、3ドアと5ドアのハッチバック、4ドア・セダン(写真)、さらにローバーから「エアロデッキ」と呼ばれるワゴン(以前はアコードに使われていた名称)が登場するなど、以前よりボディタイプのバリエーションが増えている。
また、この世代で新たに開発されたのがCVT(無段変速機)である。オーソドックスなMTとATも用意された。
初代タイプR
ホンダにおける「タイプR」の名称は、そのモデルの中で最もパワフルな仕様を指すものだ。1997年、シビックに初めて設定されたが、欧米では正規販売されていない。
エンジンは、すでに他のモデルに搭載されていた1.8Lを1.6Lに小排気量化したものである。しかし、VTECにより9000rpmという驚異的な回転数を実現し、180ps以上のパワーを発揮した。
7代目
21世紀最初のシビックは、先代よりも大型化し、それに伴って室内空間が拡大された。ボディタイプはセダン、クーペ、ハッチバックとなり、ワゴンは廃止されている。
この7代目でシビックの累計販売台数は1600万台に達した。その半数近くは北米での販売で、2004年には乗用車で第3位、自動車全体では第7位の人気車種となる。ホンダは当時、シビックが独立したブランドであれば、同地域で13位にランクインするだろうと自負していた。