小さなクルマが起こした奇跡 ホンダ・シビックの50年を振り返る 前編 誕生からディーゼル導入まで

公開 : 2022.06.19 10:45

2代目タイプR

初代タイプRは日本専用車だったが、2代目は世界に進出。生産も国内では行われていない。英国のスウィンドンにあるホンダ工場で生産された3ドアをベースとしていたため、日本では輸入車扱いとなった。

欧州仕様のタイプRは、約200psを発生する2.0L VTECエンジンを搭載していた。日本仕様はさらにパワーアップして215psとなり、ショートギアとリミテッド・スリップ・デフが採用された。

ホンダ・シビック・タイプR
ホンダ・シビック・タイプR

タイプSの登場

ホットハッチは好きだがタイプRは買えない、という人も7代目で「タイプS」を購入することができた。タイプRとは異なる5ドア・ハッチバックで、見た目こそおとなしいが、エンジンはかなりパンチが効いている。

エンジンは2.0Lで、159psという当時としては驚異的なパワーを発揮する。直線加速はそれなりに良かったが、ハンドリングには難ありとの指摘もあった。

ホンダ・シビック・タイプS
ホンダ・シビック・タイプS

初のハイブリッド導入

ホンダは1997年に発売したインサイトで、インテグレーテッド・モーター・アシスト(IMA)というエンジンと電気のハイブリッド・システムを導入した。2001年にはシビックにも採用され、シビック・ハイブリッド(またはIMA)が誕生した。

セダンのフェリオをベースに1.3Lエンジン(フィットでおなじみ)と電気モーターを組み合わせたIMAを搭載。公称燃費は素晴らしいものだったが、それはセンセーショナルなハイギアードによるところが大きい。

ホンダ・シビック・ハイブリッド
ホンダ・シビック・ハイブリッド

標準のシビックが当時の新車価格で150万円程度からだったのに対し、ハイブリッドは200万円強と、やや高価なモデルであった。

ディーゼル搭載モデルも

ホンダはディーゼルエンジンとの関わりを断っていたが、欧州ドライバーの要望で方針を転換せざるを得なくなった。2003年、シビック誕生から31年目にして、ついに初のディーゼルモデルが登場した。

当時、ホンダはディーゼルエンジンを開発中であったが、まだ完成には至っていなかった。代わりに、すでにオペルなどで実績のある1.7Lディーゼルエンジンを、シビックに載せることにしたのだ。これは、いすゞとゼネラルモーターズが共同開発し、ポーランドで製造していたユニットだ。

ホンダ・シビック・ディーゼル
ホンダ・シビック・ディーゼル

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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