小さなクルマが起こした奇跡 ホンダ・シビックの50年を振り返る 後編 8代目からe:HEVまで

公開 : 2022.06.19 18:25

5代目タイプR

10代目シビックは海外では2015年に発売されていたが、2017年に日本市場投入と同時に登場したのが、新型タイプR(5代目)である。ハッチバックをベースに、先代と同じ2.0Lのターボエンジンを採用したが、最高出力は320psとわずかにアップしている。

同年4月、タイプRはニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで、7分43秒8という市販前輪駆動車の新記録を樹立した。この車両は、非標準ながら公道走行可能なタイヤを履き、ロールケージを装着していた。さらに、リアシートとインフォテインメント・システムを取り外すことで、軽量化を図っている。

ホンダ・シビック
ホンダ・シビック

最新型

2021年に登場した最新型の11代目シビックは、セダンとハッチバックが用意されている。クーペやワゴンはもはや過去のものとなった。

エンジンは1.5Lのガソリンターボのほか、海外では自然吸気の2.0Lもラインナップされている。ディーゼルエンジンを設定しないのは、最近の人気の低迷を考えるとごく自然なことと言えるだろう。

ホンダ・シビック
ホンダ・シビック

新世代のタイプR

もちろん、最新型にもタイプRはある。2022年夏に正式発表される予定で、ホンダによれば、鈴鹿サーキットで2分23秒120のラップタイムを記録したという。これは前輪駆動の市販車としては新記録で、2021年にタイプRリミテッドエディションが達成したタイムを0.873秒下回るものだ。

次期ホンダ・シビック・タイプR(プロトタイプ)
次期ホンダ・シビック・タイプR(プロトタイプ)

e:HEV

ホンダは2003年のIMA以来、シビック・ハイブリッドを販売してきた。その最新作が、2022年7月に発売予定の「e:HEV」だ。

パワートレインは、自然吸気2.0Lガソリンと2基の電気モーターを組み合わせたハイブリッド・システム。総出力は180ps強で、WLTCモード燃費は24km/lに達するという。価格は394万円からとなる。

ホンダ・シビックe:HEV
ホンダ・シビックe:HEV

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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