これぞ元祖ジープ ウイリスMB/フォードGPW/ホッチキスM201 英国版クラシック・ガイド 前編

公開 : 2022.07.09 07:05

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今回、フォードGPWを持ち込んでくれたアダム・トローブリッジ氏は、軍からの払い下げ車両を家族のように大切にしている。「最初に購入したのが、パットン将軍が乗っていたような、ダッジ・コマンドです。22年ほど手元にあります」

「フォードGPWを購入したのは、20年ほど前。妻へのプレゼントでした。おかげで、公爵夫人と呼ばれています。彼女の父親も、50年ほど軍用車両をコレクションしているんです」

フォードGPW(1941〜1945年)
フォードGPW(1941〜1945年)

「わたしの子供と一緒に、ジープイベントへ尋ねるのは楽しいものですよ。おじいちゃんにも会えますしね」

「手に入れたGPWは、レストア済みでした。でも、エンジンとトランスミッション、トランスファーなどはリビルドする必要がありました。ホッチキス社の部品も一部に用いられていましたが、正しいフォード用のものに交換しています」

「エンジンも違っていました。スクラップ状態だった6台のジープを調べて、1942年製の正しいフォード・ブロックを発見したんですよ」

「過去の苦い経験を忘れないためにも、この様なクルマを尊重することは良いことだと思います。その歴史がなければ、今の趣味もなかったわけですしね」

英国で掘り出し物を発見

ホッチキスM201

登録:1962年 走行:5万6000km 価格:2万1500ポンド(約354万円)

英国編集部の1人が大切にしてきた、M201が売りに出ている。ノルウェー陸軍に従事していた車両で、無線通信車であり、電圧24Vの電装系が組まれている。フロントハブはフリーホイール・タイプで、長距離走行にも向いている。

ホッチキスM201(1962年式)
ホッチキスM201(1962年式)

エンジンはパワフルで、ソレックス・キャブレターはオーバーホール済みとのこと。デフもリビルドしてある。状態の良いキャンバス・ルーフと、当時物のシャベルと斧もセットで付くという。

ウイリスMB

登録:1942年 走行:9万120km 価格:2万6500ポンド(約437万円)

戦時中に製造されたウイリスMBとしては、比較的手頃な価格といえる。オリジナルコンディションに拘らなければ、乗りやすいジープとして都合が良いかもしれない。

ホッチキス社製エンジンとトランスミッションに載せ替えられているため、耐久性は向上していると考えて良い。近年メカニズムに施した作業の、履歴ファイルも付いているという。

売り手によれば走りは良好で、ボディの塗装の状態も良いとのこと。ただし、キャンパス・ルーフは若干くたびれているようだし、直したいサビも数か所あるようだ。

中古車購入時の注意点などは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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