ここ数年で1番の運転する喜び モーガン・スーパー3へ試乗 スリーホイラーの後継 前編

公開 : 2022.07.02 08:25

フォードの1.5L 3気筒+ロードスター用MT

ワイヤーホイールも、最小回転直径を大きくしていた原因の1つだった。クラシカルな見た目で好ましかったが、ハブが巨大になり、サスペンションのアップライトの取り付け位置が悪かった。結果として小回りが効かず、動的能力にも制限を生んでいた。

そこでモーガンのデザイナーは、ターボファンのようなディスクホイールを考案。オフセット値も練られ、ハブを固定するアップライトの位置も最適化されている。エイボン社製のスリムなタイヤも、スーパー3の専用となる。

モーガン・スーパー3(英国仕様)
モーガン・スーパー3(英国仕様)

フロントノーズには内燃エンジンが納まっているが、スリーホイラーのフロントマスクを構成していた、S&S社由来のバイク用空冷2.0L Vツインではない。現代の排出ガス規制に対応できないためだ。

代わりにモーガンが選んだのは、フォードの1.5L自然吸気3気筒。ルックスはあまり良くないため、エンジンカウルで覆われている。トランスミッションは、マツダMX-5(ロードスター)用の5速マニュアルが組まれる。

そこから駆動力は、ベルトを介して1本のリアタイヤへ伝えられる。Vツインエンジンとは異なり、トルクが一定して発生するため、衝撃を吸収するトルクダンパーは備わらない。

エンジンルームの後方は、ボディ表面にも応力が掛かるモノコック構造が支えている。スタイリングを構成しつつ、構造体としても機能する。さらに後端には、前端と同様にアルミ製の鋳造部品が顔を出す。

ラゲッジカバーのヒンジであり、テールライトの固定部分も兼ねる。モーガンのロゴが、誇らしげに刻印されている。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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