オースチン・ヒーレー100をレストモッド ケイトン・ヒーレーへ試乗 親密なメカとの関わり
公開 : 2022.07.04 08:25 更新 : 2024.08.16 16:35
親密なメカニズムとドライバーとの関わり
ボディシェルは、現代のロードスターと比べれば柔らかい。だが、充分な剛性感はある。
ステアリングホイールは切り始めの数度が遊びの領域で、クルマに目立った変化は起きない。そこから回していくと、正確で良好な反応が得られる。
タイヤのサイドウォールは厚く、手のひらには感触が伝わってこない。アスファルトを走っているという曖昧な雰囲気だけだが、それも魅力の1つといえる。
エンジンはトルクフルで、1500rpm以下を好まず、4000rpm以上にも回りたがらない。近年のクルマでは得難いほど、メカニズムとドライバーとの関わりが大きい。ノイズやヴァイブレーションも。
このケイトン・ヒーレーの英国価格は、47万4000ポンド(約7915万円)から。JME社がレストアを手掛けたオースチン・ヒーレー100なら、メカニズムが調整済みで特別な仕様を指定しても、その半額以下で購入できる。
ケイトン・ヒーレーの場合は完璧なプロポーションを目指し、職人によってアルミニウムのパネルが丁寧に加工されている。その価値は認めるものの、金額の妥当性に悩む人もいると思う。
少なくとも25名の顧客は、この美しいスタイリングに魅了されたのだろう。確かに筆者も、ボディに見惚れてしまった。彼らにとっては、理想のクラシックなのかもしれない。
親密でアナログなメカニズムによるドライビング体験を、より少ない費用で堪能できる例は多い。とはいえ、EタイプUK社のアンリーシュドの狙いも、ケイトンと共通している。
レストモッドの感じ方は人それぞれ。評価は読者にお任せしよう。
ケイトン・ヒーレー(欧州仕様)のスペック
英国価格:47万4000ポンド(約7915万円/ベース車両を除く)
全長:3835mm(オースチン・ヒーレー100)
全幅:1524mm(オースチン・ヒーレー100)
全高:1251mm(オースチン・ヒーレー100)
最高速度:193km/h
0-100km/h加速:8.0秒(予想)
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:920kg
パワートレイン:直列4気筒2954cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:187ps/5000rpm
最大トルク:26.9kg-m
ギアボックス:5速マニュアル