「不人気」のポルシェ928 現代に復活 レトロなV8スポーツカー、レストモッド公開

公開 : 2022.06.27 18:05

フロントのV8エンジンで後輪を駆動するポルシェ928のレストモッド車両が一般公開されました。フルカーボンボディに最新技術を搭載しています。

水冷FRのトランスアクスル・ポルシェ 現代に復活

レストモッドを手掛けるフランスのナルドン・オートモーティブ(Nardone Automotive)社が開発した「ポルシェ928」が、英国で一般公開された。ボディやインテリアを再設計し、現代的に仕上げている。

オリジナルのポルシェ928は、1977年に発売されたスポーツカーで、4.5L V8エンジンを搭載し、最高出力240psを発揮する(後に350psを誇る5.4Lモデルも登場)。当時のポルシェとしてはまだ珍しかった水冷エンジンをフロントに置き、後輪を駆動するFR方式を採用。全長4.4mとボディも比較的大柄で、快適な乗り心地を提供するグランドツアラーとして売り出されたが、後継車種が登場することなく1995年に姿を消した。

英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたポルシェ928のレストモッド車両
英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたポルシェ928のレストモッド車両    AUTOCAR

今回のレストモッド車両は、デザインこそよく似ているものの、その中身は大きく異なる。ボディはすべてカーボンファイバーでできており、特注のヘッドライトおよびテールライト、18インチホイールとミシュラン・パイロットスポーツ5タイヤを装備している。

さらに、最高出力400psの自然吸気V8ガソリンエンジンを搭載し、最新のECU、6速MT、リミテッド・スリップ・ディファレンシャルと組み合わされている。アダプティブ・コントロール・エレクトロニック・サスペンション、アダプティブ電動パワーステアリング、強化ブレーキも採用している。

インテリアは、アルカンターラとフォグリッツォ社製レザーで仕上げられる。また、アップル・カープレイとプレミアムサウンドシステム搭載のポルシェ・クラシック・コミュニケーション・マネジメント(PCCM)システムを備えている。

エレガンスと気品ある刺激的なグランドツアラー

ナルドン・オートモーティブはこのレストモッド車両について、「快適性、パフォーマンス、現代的なラグジュアリーを兼ね備えた、洗練された刺激的なグランドツアラー」といった特徴を備えていると述べている。

同社のティエリー・ナルドン社長は、次のようにコメントしている。

英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたポルシェ928のレストモッド車両
英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたポルシェ928のレストモッド車両    AUTOCAR

「わたしは子どもの頃から、928のエレガンスと気品に夢中になってきました。多くの人が無関心でしたが、一度乗ると二度と忘れられません」

「レストモッドに対する個人的な情熱と相まって、ポルシェ911のレストモッド車両の完璧な妹分を作るというアイデアが生まれました」

「今は次の展開が待ち遠しいです。クルマを走らせ、わたし達のようなトランスアクスル愛好家を集めたいのです」

レストモッドの価格や生産台数はまだ明らかにされていないが、ナルドン・オートモーティブによると、生産・納車は2024年に開始されるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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