今乗るならコスパに秀でた3代目 マツダMX-5(ロードスター/NC型) 英国版中古車ガイド
公開 : 2022.07.07 08:25
価格帯で最高水準のハンドリング性能
ストレートスピードは、マツダ・ロードスターの中心にはない。この価格帯としては最高水準といえる、ハンドリング性能を味わうためのクルマだ。
ソフトトップでもハードトップでも、ロードスターは驚くほど軽快で敏捷。ステアリングホイールの反応は正確で、適度なグリップ力を活かし、流れるようなコーナリングを楽しめる。
乗り心地は快適と呼べる範囲にあり、舗装の古い路面でも安定性が失われることはない。リトラクタブル・ハードトップの場合はサスペンションが若干柔らかく、よりしなやかにこなす。
一般的な環境では、1.8Lエンジンでも充分に速い。中古車価格や維持費も、若干だが手頃になる。しかし、ロードスターの優れたシャシー性能を最大限に引き出したいなら、2.0Lエンジンの方がオススメといえるだろう。
新車時代のAUTOCARの評価は
マツダ・ロードスターは素晴らしく楽しい。3代目のNC型は大きくなったが、正常進化を遂げている。純粋なドライビング・プレジャーでは、ほかのモデルには届かない水準にあるといっていい。
積極的に運転すれば、免許書が危ぶまれない速度域で、スリリングな体験を与えてくれる。ホットハッチを1年間運転するより、ロードスターを1週間運転した方が、ドライビング技術も向上するはず。
スピードとパワー、エンターテインメント性を、見事にバランスさせている。先代のロードスターより、実用性が向上している点も評価したい。(2005年2月24日)
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
ほぼトラブルフリーといえるものの、エンジンオイルの管理は重要。定期的な交換と油量チェックは基本といえる。
エンジンを始動したら、エンジンオイルが燃えて生じる白煙が、排気ガスに混ざっていないか確かめたい。次に、クランクシャフトからの異音がないか確認する。
走行距離が伸びると、点火コイルやハーネスが劣化し不具合を招きがち。タイミングチェーンで寿命は長いもののテンショナーは傷むので、定期的な点検は不可欠。
ボディ
ロードスターのボディは錆びる。ボンネットのエッジやエンジンルーム内、トランクのフロアやシャシーなどを中心に観察したい。
事故が原因で生じるボディパネルの隙間の狂いや、バンパーの擦り傷の処理などを調べる。ワイパーの下側にあるプラスティック製パネルは、外れたり緩むと雨水をきれいに流せなくなる。
ソフトトップのドレインホールが詰まっていないか、車内のカーペットが湿っていないかもチェックポイント。リトラクタブル・ハードトップの場合は、ルーフの開閉がスムーズかも確かめたい。
電気系統
DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)などの警告灯は、バッテリーの接点不良で点灯することがある。
トランスミッション
5速と6速のMTは、気温が低い日の出発直後はシフトレバーの動きが重いものの、温まると軽くなる。リアデフからの異音がないかも、試乗で確かめたい。
サスペンションとブレーキ
ダンパーのヘタリ具合を確認する。前後のアンチロールバー・ドロップリンクは、6万kmから7万kmほどでヘタる。コツコツと音が出ていないか、試乗時は聞き耳を立てる。
ブレーキ・キャリパーは固着しがち。走行中に引きずっている場合は、異常に加熱する。タイヤが偏摩耗している場合は、アライメントが狂っている証拠。