夜間のEV充電は安全なの? 人目につかない暗い場所での充電に警鐘 海外で防犯対策求める声も
公開 : 2022.06.28 17:45
充電器の信頼性や耐候性に基準を
このように、民間企業は防犯に対する独自の対策を行っているようだ。しかし、RACは充電器の信頼性をさらに高めたい考えだ。サイモン・ウィリアムズは、次のように語っている。
「充電器を正常に機能させる必要があるだけでなく、適切な照明や耐候性の基準を設定しなければなりません」
「また、充電器の設置場所についても、他の建物や施設との関係で考慮する必要があります。夜間充電が必要なドライバーは、駐車場の奥で孤立しているよりも、夜間営業していて多くの人が利用しているサービスエリアの一部であれば、安心して利用できる可能性がはるかに高いのです」
英国運輸省は最近、今年後半に施行される新しい法律により、EV急速充電ネットワークは99%の信頼性が求められると述べた。これにより、EVの航続距離への不安を払拭し、「世界最高水準」の充電ネットワークを構築することができると運輸大臣は期待している。
この法律には、16億ポンドを投じて全国に30万か所(現在のガソリンスタンドの約5倍)の充電器を新設することが盛り込まれている。2030年までに充電器を国中に普及・稼働させる方針だ。
政府が多額の資金を投入する中、より少ない費用で安全性と信頼性を実現するアイデアも民間から挙がっている。RACによると、EVの車載システムに充電器情報を組み込んだり、充電アプリを作成したりすることで、利用したい設備の状態や他のユーザーの利用状況などを確認できるという。
いずれにせよ、EV充電ステーションでは、従来のガソリンスタンドとは異なる「環境」や「体験」が求められている。充電の待ち時間を、どのように安全かつ快適に過ごせるかが重要なポイントとなっている。24時間営業の飲食店やサロンを併設するなど、新たにビジネスチャンスを見出す企業も少なくない。