マニアックな四駆セダンが面白い 印象の薄い名モデル 16選 トラクションとパワーを楽しむ4WD車

公開 : 2022.07.02 06:05

サーブ9-3

ターボチャージャー付きの4WDセダンというと、すぐにスバル三菱が思い浮かぶ。しかし、サーブはどうだろう? かつて9-3には、最高出力280psの2.8L V6エンジンで四輪を駆動するモデルがあり、最高速度250km/h、0-97km/h加速5.4秒という性能を発揮した。

V6の平均燃費は8km/l台半ばだったが、エントリーモデルの「エアロ」の2.0L直列4気筒ターボは14km/lとなかなか優秀だ。0-97km/h加速は7.9秒と少し鈍くなり、最高速度は235km/hに低下するが、4WDの「XWD(クロスホイールドライブ)」システムはスポーティなハンドリングを味わえる優れもの。

サーブ9-3
サーブ9-3

いずれにせよ、両モデルとも販売台数は少なく、中古車市場ではなかなかお目にかかれない。

スズキキザシ

短命に終わったスズキ・キザシ。日本では警察車両としてたまに見かける程度で、海外でも鳴かず飛ばずだった。英国では500台しか売れないと見積もっていたものの、それすら達成困難であったという。

問題は、走り好きのドライバーを惹きつけるほどのパワーもスピードもなく、海外では社用車として人気の高いディーゼルの設定もなかったことだ。

スズキ・キザシ
スズキ・キザシ

最高出力188psの2.4L直4とCVT(海外では6速MTも設定)を採用し、前輪駆動と4WDが販売された。そのハンドリングは今でも十分通用するものだが、4WDで生き残っている個体は非常に少ない。

テスラモデルS

テスラ・モデルSが持つ多くの才能の中で、4WDの存在は忘れられがちだ。新車時に多くのオーナーが4WDを選択し、中古でも半数近くを占めている。初期のP85D(車名末尾のDはダブルモーターの意)や90Dなどは500~600万円程度から販売されている。

厳密に言うと、モデルSはセダンではなくハッチバックに分類されるかもしれないが、0-100km/h加速を3秒台で駆け抜け、1回の充電で400km以上を走れるとなれば、文句のつけようがないだろう。

テスラ・モデルS
テスラ・モデルS

オペル/ヴォグゾール・インシグニア

欧州で販売されるオペル/ヴォグゾール・インシグニアは、フォルクスワーゲンパサートのようなベーシックなセダンだが、4WD車には、ターボチャージャー付きの2.8L V6ガソリンエンジン(最高出力325ps)を搭載したスポーツモデル「VXR」も用意されている。

インシグニアVXRは0-97km/h加速5.8秒、最高速度250km/hを達成するなど、アウディS4と同等の性能を誇る。中古なら、わずか5000ポンド(約80万円)程度で手に入ってしまうのだから、欧州はずるい。

オペル/ヴォグゾール・インシグニア
オペル/ヴォグゾール・インシグニア

また、あまり注目されていないのだが、2.0Lターボディーゼルの4WDも設定されている。こちらは20km/lと低燃費(VXRの倍)で、お財布に優しい4WDセダンだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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