競合をリードする新世代誕生 ホンダ・シビック e:HEVへ英国試乗 タイプRにも期待大
公開 : 2022.07.03 08:25 更新 : 2022.08.24 10:00
上質で軽快、安定したコーナリング
新しいシビックはボディ剛性が19%高められたこともあって、上質でありながら軽快で安定したコーナリングを実現している。路面へ追従するマナーには、驚かされたほど。
適度な重みづけが与えられたステアリングホイールも、運転する充足感を高めている。正確に反応し、フィードバックも豊か。直進状態に戻そうという時は、その感触がソフトになる点も良い。
乗り心地はやや硬めなものの、間違いなく快適と呼べる範囲。英国のワダチが大きい路面環境で、入念に開発テストが行われたことを想像できる。
駆動用モーターのみの時も、ガソリンエンジンが介入した時でも、走行時の洗練性も素晴らしい。アクセルペダルを深く踏み込み、エンジンが高回転域に達するとノイズが若干目立つものの、基本的には遠くから聞こえる程度。遮音性も評価できる。
インテリアは、上品に整ったデザインと上質な素材が組み合されている。プラスティック製の部品をとってみても、BMWには及ばないにしても、フォルクスワーゲンより質感は良いと思う。
一方、タッチモニターで操作するインフォテインメント・システムは、ドイツのシステムほどプレミアム感はない。そのかわり、実際に押せる物理ボタンなどは残されている。トヨタのシステムより、競争力は上だと感じた。
一歩リードといえるモデルチェンジ
シビックのハイブリッドを購入する層で最も関心がある数字は、燃費かもしれない。カタログ上は20.0km/Lがうたわれており、CO2の排出量は113g/kmとなっている。特に驚く数字ではないものの、19.2km/Lと118g/kmのカローラ・ハイブリッドより良好だ。
Cセグメントのファミリー・ハッチバックとして、一歩リードするモデルチェンジをホンダは達成したといえる。目立った弱点はなく、すべての要素が融合し、ユーザーが望む動的能力や実用性、快適性などを高次元で両立させている。
これらの特長を、ホンダはベーシックなシビック・ハイブリッドで実現している。シビック・タイプRへ、大きな期待を抱かずにはいられない。
ホンダ・シビック e:HEV スポーツ(欧州仕様)のスペック
英国価格:3万595ポンド(約510万円)
全長:4550mm
全幅:1800mm
全高:1415mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:7.9秒
燃費:20.0km/L
CO2排出量:113g/km
車両重量:1533kg
パワートレイン:直列4気筒1993cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps
最大トルク:32.0kg-m
ギアボックス:CVT