新たな電動クロスオーバー ジャガー、2025年までに3台の新型EV発売 ブランド再興目指す
公開 : 2022.06.29 19:05 更新 : 2022.06.29 19:17
今後10年ですべてが生まれ変わる?
ジャガーの再編に伴い、新しいプラットフォーム、コネクティビティや自動運転機能に関するパートナーシップ、さらには英国での生産体制など、幅広い面で「変革」が進むと考えられる。
まず、「パンテーラ」と呼ばれる新プラットフォームは、個性的なデザインの実現を可能にするとともに、最先端のパワートレインや車載技術にも対応する。次世代のモーター技術、800Vの充電アーキテクチャ、コネクティビティ、高度な自動運転機能などの導入が期待される。
このプラットフォームは、JLRのエンジニアと、ジャガーIペイスを製造する自動車用品大手マグナが共同開発する予定だ。JLRは今後、プラットフォームの「共通化」を進めようとしているため、パンテーラのコンポーネントの重要性はさらに高まるかもしれない。
持続可能性とコネクティビティ
ジャガーの新型車は、環境負荷が低くなるように設計され、石油を原料とする製品の使用を避けた「持続可能」な素材を使用することになるようだ。例えば、ウールやシルク、リサイクルファブリックから作られたカーマットのほか、セラミックや石、ガラスでできたインテリアトリムなどだ。
先述のプラットフォームはアルミニウム製で、こちらもリサイクル素材から作られる可能性が高く、古い飲料缶などが使われるかもしれない。
あるアナリストは、「プレミアムはグリーンとは切り離せない」と語っている。
コネクティビティの強化
コネクティビティも重要な要素だ。JLRはIT大手Nvidiaと協力して、クラウド接続機能(クルマと周辺環境からのデータ収集、および有料サービスの配信)および自動運転機能を備えたソフトウェアを開発中だと発表している。
JLR戦略ディレクターのフランソワ・ドッサは今年初め、次のように述べた。
「重要なのは、すべてのOEMがそれぞれ異なるエレクトロニクスを持っているということです。わたし達はEVAと呼んでいます。これは非常に洗練されたアーキテクチャで、Nvidiaと当社の技術を統合するつもりです」
英国での生産体制に変化も
ジャガーは、英国に拠点を置くサプライヤーからバッテリーを調達することも試みているようで、エンビジョンAESCと提携する可能性を示唆する報道があった。エンビジョンAESCはすでに日産自動車向けにバッテリー工場を建設している。
ジャガーのバッテリー工場は、イングランド北部のティーズサイドにある製鉄所跡地に建設される可能性がある。ただし、フィナンシャル・タイムズ紙の報道によると、バッテリー関連のパートナー企業については「最終的な決定はされていない」という。
また、EVをどこで作るかという問題だが、1つの可能性として考えられるのは、既存のソリハル工場の拡張である。現地メディアでは、同工場に隣接するフットボール・クラブの敷地が拡張に利用できるかもしれないと報じている。
バーミンガム空港にほど近いソリハル工場は、飛行機での人の往来も容易であろう。ただし、ソリハルの拡張計画が本当にジャガーの新型車生産のためのものであるかどうかは、今のところ確認されていない。