【詳細データテスト】シボレー・コルベット ミドシップ化で磨いた走り 高い実用性 唯一無二の存在感
公開 : 2022.07.02 20:25 更新 : 2022.07.11 09:21
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
高速道路の速度域での長距離ドライブは非常に快適だが、静粛性はあまり高くない。室内騒音は、いうまでもなくルーフを装着した状態で計測した値だが、48〜113km/hで現行911より2dBAほど大きかった。もちろん、その比較対象は決して静かさを誇るようなクルマではないのだが。
その差は、4速全開では5dBAにまで広がる。とはいえ、シボレーのNVH担当エンジニアたちが、高回転域でエンジンルームから聞こえてくる音を、ノイズではなくサウンドと表現するだろことは想像に難くない。つまり、これは楽しむべきものなのだ。騒音値の高さを悔いてはいないだろうし、悔いる必要もない。
このV8サウンドを堪能したいのであれば、ルーフはつけたままのほうがいい。パネルを外すとキャビンの開放感は多少増すが、エンジン音は風音にかき消されてしまうだろう。
乗り心地は、ツアーモードではほどよくダンピングが効いていて、ロールや路面に追従した動きは、このクルマのキャラクターがそこそこ感じられるくらいには許容されるが、過剰ではない。そのモードだと、ほかのモードほど歯切れのいいコーナリングは期待できない。その代わり、ラインを外すことのない走りや、長く弧を描くコーナーや高速道路のインターチェンジなどでの挙動は、じつに心地いい。