e-パワーは英国でも好評価 日産キャシュカイ(デュアリス) へ試乗 歓迎すべき新技術
公開 : 2022.07.20 08:25
シリーズ式ハイブリッドを採用し、実力を向上させたクロスオーバーのキャシュカイ。英国編集部が評価しました。
ガソリンで発電する電気自動車
日本へは未導入となっている、3代目の日産キャシュカイ(旧デュアリス)に、e-パワーと呼ばれるシリーズ式ハイブリッド版が登場した。誤解を恐れず表現するなら、ガソリンで発電する電気自動車だ。
基本的には、内燃エンジンと駆動用モーターを搭載するハイブリッドだが、実際にクルマを動かすのはフロントに搭載された190psの駆動用モーターのみ。他メーカーが採用するハイブリッドとは、構造が異なっている。
システムとしては、BMW i3のレンジエクステンダー版と近いものの、駆動用バッテリーが小さい。日産のシステムも、現在のバッテリーEV(BEV)にはつきものの、航続距離や充電に対する不安を軽減してくれる。そのかわり、ガソリン価格の影響は受けやすい。
英国の日産は、e-パワーを橋渡しの技術だと呼んでいる。日常的な自動車利用の利便性を損なうことなく、BEVに近い運転体験を提供し、完全なBEV時代への移行を促すとしている。
「私たちは、可能な限り次世代のクルマ、BEVに近づけるよう努力しているのです」。と日産の広報担当者は話していた。
同社は、2030年までに世界の販売台数の50%へ電動化技術を搭載する、という目標を掲げている。このキャシュカイ e-パワーは、その一部を構成することになる。リーフに次ぐ2台目のBEV、クロスオーバーのアリアとともに。
完成度が非常に高いハイブリッド
実際に運転してみると、高負荷時にボンネット内からかすかなエンジンノイズが聞こえてくるものの、それ以外はBEVに近い印象を与えてくれる。発進加速はスムーズで活発。リニアにスピードを乗せていく。
日産がe-ペダルと呼ぶワンペダル・モードをオンにすると、回生ブレーキが強力になり、しっかりした減速感を得られる。走行中は変速もしないため、追い越し加速時にキックダウンを待つ必要もない。
エンジンの存在感が出てくるのは、積極的に運転したときのみ。回転数は走行スピードに合わせて可変するよう調整したと日産側は主張するが、サウンドが気持ちを高ぶらせることはないだろう。
e-パワーの完成度は非常に高く、好感触。運転する時間が長くなるほど、その価値を実感するはず。従来の1.3Lターボエンジン版に組まれる、CVTのぼやけた印象は存在しない。それでいて、燃費の向上とCO2の排出量削減に結びついている。
都市部や郊外の一般道に最適化されており、目立って速かったり、ドライバーが運転に夢中になるほどではない。ベストは、右足を軽く優しく操作するようなスタイル。現行のキャシュカイで最も上質な、妥協の少ないパワートレインだと感じると思う。