新型MG 4 航続450kmのEV、9月欧州で発売 50:50の重量配分実現
公開 : 2022.07.06 06:05
中国SAIC傘下の自動車ブランド、MGが新型EV「4」を欧州に導入します。全長4.3mの5ドア・ハッチバックで、50:50の前後重量配分により優れたダイナミクスを実現しているとのこと。
新開発のSAIC製プラットフォーム採用
英国の自動車ブランド、MGは、新型EVのMG 4を9月に英国で発売する。最大452kmの航続距離、広い室内、優れたダイナミクスを備えているという。
MGは現在、中国の上海汽車(SAIC)の傘下にある。新型4は今年、中国で「MGムーラン」として発表されたモデルで、SAICの新モジュラー・スケーラブル・プラットフォーム(MSP)をベースにしている。
MGによると、このプラットフォームは新開発のバッテリー構造「ワンパック」に基づいて考案されたもので、2650mmから3100mmまでのホイールベースに対応し、バッテリーサイズも40kWhから150kWhまで搭載可能であるという。
ワンパック構造とは、バッテリーセルを水平に並べることでフロアの厚みをわずか110mmに抑え、バッテリーとプラットフォームを一体化させたものだ。
新たなデザイン路線を開拓 ヘッドライトに眉毛も
MG 4のスタイリングとしては、鮮明なボディライン、立体感のある造形、シャープなディテールなど、これまでとは一線を画すデザインとなっている。
大きなエンブレムを配した低いフロントエンド、「アイブロー(眉)」のグラフィックを持つヘッドライト、張りをもたせたフロントバンパーなどが特徴的だ。サイドには2本のラインが刻まれ、ドア下部はシルの一部を形成している。
リアでは、ハッチバックのテールゲートに分割式のルーフエクステンション兼スポイラーを備えているほか、複雑なLEDグラフィックのテールライトアセンブリが採用されている。オプションとして、大型ガラスルーフが用意されている。
全長4287mm(ホイールベース2705mm)、全幅1836mm、全高1506mmと、フォルクスワーゲンID.3より25mm長く、27mmワイドだが、46mm低い。欧州では数あるEVハッチバックの1つとなる。
最高出力449ps 0-100km/h加速は3.8秒
MGによると、英国でははじめに最高出力169psまたは204psのシングルモーター/後輪駆動モデルが発売され、後に449psのデュアルモーター/四輪駆動の最上位モデルが導入されるという。
後者は、0-100km/h加速のタイムが3.8秒と謳われている。最高速度は159km/hに制限されている。
169psのエントリーモデルには51kWh、その他のモデルには64kWhのバッテリーが搭載される。WLTPでの航続距離は350~452kmとされている。
バッテリーの仕様詳細はまだ明らかにされていないが、MGの他のEVでは、リン酸リチウムイオン(LFP)またはリチウムニッケルマンガンコバルト(LNMC)バッテリーのいずれかを採用している。
また、当初は400Vの充電アーキテクチャを装備するが、将来的にはより高速な充電のために800Vにアップグレードすることが可能だという。
SAICの副チーフエンジニアであるZhu Jun氏は、新しいプラットフォームとバッテリー構造によって50:50の前後重量配分を実現し、走りの楽しさを味わえるとしている。