エンジンに失望させられた名車 24選 パワー不足や故障に泣いた不運のモデルたち
公開 : 2022.07.09 06:05
レンジローバーのディーゼル車(1986年)
クラシックなレンジローバーは、まさにランドマーク的存在であり、V8ガソリンエンジン搭載モデルは、歴史に残るべき1台である。1970年に発売されたレンジローバーだが、ディーゼルエンジンを搭載するまでに16年を要した。
時間をかけた割に、2.4L VMディーゼルエンジンは、ターボチャージャー付きながら全くと言っていいほどパワーがなく、性能は頼りない。また、直列4気筒でありながらヘッドガスケットを4個も使用するという特徴があるが、単調な故障を繰り返していた。
ハマーH1(1992年)
機動多用途装輪車両(HMMWV)として軍用に開発されたハマー(ハンヴィーから派生)は、耐久席が売りとなるはずであった。見た目の力強さもさることながら、戦地を駆け巡るようなタフさに魅力を感じる人も多いだろう。
しかし、1996年から2000年にかけて製造されたH1には、製造上の欠陥により8番シリンダーに亀裂が入ったターボディーゼルエンジンが搭載されている。このエンジンが故障すると、ユニットまるごと載せ替えの対応となり、直しても直してもまた壊れるという地獄のサイクルを繰り返した。
MGF(1995年)
小粋なルックス、ハイドロガス・サスペンションによる見事な乗り心地とハンドリングのバランス、そして手頃な価格を併せ持つMGFは、1990年代を代表する英国生まれのミドエンジン・スポーツカーの1つである。
しかし、そのミドマウントエンジンはMGローバーのKシリーズで、冷却性能が低いためにヘッドガスケットブローを起こすことで悪名高いものだった。わずかに冷却水が漏れただけでも、エンジンはオーバーヒートし、ヘッドガスケットも一緒に焼けてしまう。
TVRサーブラウ(1999年)
ゼロからエンジンを作るというのは、非常に大きな挑戦である。野心に満ちたTVRは、まずV8エンジン(AJP8)を開発。そこから生まれた直6「スピードシックス」は、軽くてパワフルなユニットであった。しかし、信頼性は極めて低い。
カムシャフトやバルブガイドの損傷が多発し、保証期間内に多くのエンジンをリビルトまたは交換しなければならなかった。2006年、TVRは廃業してしまった。
マツダRX-8(2003年)
1960年代後半から1970年代前半にかけて、多くの企業がロータリーエンジン車の製造を検討したが、NSUの消滅後はみな慎重になった。ロータリーエンジンの設計には固有の問題があるが、それでもマツダは1960年代後半からこの技術にこだわり続けている。
他社がさじを投げる中、RX-7などの名車が次々と登場。2003年には、観音開きのドアを採用し乗降性と居住性を向上させたRX-8がデビューした。しかし、ローターの弱点は解消されず、10万km走行前にエンジンの圧縮が抜けてしまうことも少なくない。