粘り強く滑らかな1.2L ヴォグゾール(オペル)・グランドランドへ試乗 来日予定の中型SUV

公開 : 2022.07.21 08:25

日本導入予定にあるオペルの中型SUV、グランドランド。英国編集部がベーシックな1.2Lガソリンを評価しました。

お手頃な価格設定のグランドランド

近年の新モデルの話題といえば、もっぱらハイブリッドやバッテリーEV(BEV)のことばかり。とはいえ、依然として内燃エンジンは自動車の主力といえ、英国の販売ランキングにもその事実が表れている。

英国オペルヴォグゾールが展開する中型SUVのグランドランドでも、それは同じ。プラグイン・ハイブリッド(PHEV)も用意されているが、まだ販売台数の80%はガソリンかディーゼルの、エンジン版が占めている。

ヴォグゾール(オペル)・グランドランド 1.2ターボ 130 アルティメイト(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・グランドランド 1.2ターボ 130 アルティメイト(英国仕様)

ただし、現在英国市場に導入されているガソリンエンジンは1種類のみ。選べるのは今回試乗した1.2L 3気筒ターボだけで、130psを発揮する。最大トルクは23.3kg-m/1750rpmと、非常に低回転域から得られるのが特長だ。

トランスミッションは、マニュアルかオートマティックが選択でき、0-100km/h加速は10.4秒。ライバルモデルはホンダHR-V(ヴェゼル)などになるが、動力性能などの面では拮抗している。

インテリアのデザインは、ライバルより冒険的。それでいて、英国ではこのクラスとしてお手頃な価格設定が与えられている。ベースグレードとなるデザインで、2万6270ポンド(438万円)からとなっている。

粘り強く滑らかに回転する3気筒ターボ

今回試乗したのは、トップグレードのアルティメイトで、3万2480ポンド(542万円)から。装備は充実しており、頼れるアダプティブLEDヘッドライトに、19インチのアルミホイール、10.0インチのインフォテインメント用タッチモニターなどが備わる。

シートや内装パネルの一部には、上質なアルカンターラも用いられ、高級感を演出している。ただし、中間グレードのGSラインなら必要に思える殆どの装備が付いて、約3500ポンド(約58万円)を節約できる。冷静に考えたいところ。

ヴォグゾール(オペル)・グランドランド 1.2ターボ 130 アルティメイト(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・グランドランド 1.2ターボ 130 アルティメイト(英国仕様)

トリムグレードに関わらず、1.2Lターボエンジンは選択できる。とても滑らかに回転し、3気筒らしいビートがエンジンルームからかすかに聞こえてくるが、個性的で不快さはない。普通に運転している限り、うるさいとは感じないだろう。

回転数が4500rpmを超えると、やや不機嫌そうなエンジンノイズが響いてくる。といってもホットハッチではないから、ここまで回す機会は限定的なはず。

6速マニュアルはギア比がロングで、郊外の道ではもどかしい場面もある。だが、3気筒ターボエンジンは粘り強く、しっかりスピードは保ってくれる。

燃費は良好といっていい。試乗時の平均では約14.2km/Lといったところだったから、長距離を走るドライバーの懐にも優しいとはいえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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