発売されるはずだった幻の高級車 フォルクスワーゲン・フェートンD2 初公開

公開 : 2022.07.08 18:25

2002年発売のフォルクスワーゲン・フェートンの後継となるはずだった、幻の2代目モデルが公開されました。量産化されていれば、同社の最上級セダンとなるはずでした。

未発売の2代目の姿がお披露目

フォルクスワーゲンの高級セダン「フェートン」のデビュー20周年を記念して、発売されることのなかった後継モデルが公開された。

フェートンD2と呼ばれるこのモデルは、2002年から2016年まで生産されていた初代フェートンの後継となる予定だった。しかし、フォルクスワーゲンが電動モビリティに重点を移したため、2016年に計画は中止された。

フォルクスワーゲン・フェートンD2
フォルクスワーゲン・フェートンD2    フォルクスワーゲン

初代フェートンは、同時のフェルディナント・ピエヒ会長による高級化戦略の一環として開発され、ベントレー・コンチネンタルとプラットフォームを共有していた。しかし、欧州や北米での販売は低迷し、当初の目標を大幅に下回る結果となった。日本導入も見送られている。

中国市場では後継にあたるモデルとしてフィデオンが存在するが、それ以外の市場では後継モデルが登場することはなかった。この写真に写っているのは走行可能なプロトタイプで、生産するかどうかの最終判断の一環として製作されたものだ。

フェートンD2は、アウディA5アウディA7ポルシェ・マカンなどさまざまなモデルと共有されるフォルクスワーゲン・グループのMLBプラットフォームを採用していたようだ。

最上級モデルにふさわしい装備

エクステリアは、初代のデザインを進化させたもので、丸みを帯びたフロントエンドには大型のクロームグリルがメインに配置されている。リアに向かってシャープなボディラインを描き、その佇まいはアウディA6を彷彿とさせる。

インテリアには、デザイナーのトマシュ・バチョルスキーが「時代を先取りしている」と語る機能が数多く搭載されている。曲面ディスプレイが確認できるが、これは2018年までフォルクスワーゲンの市販車には登場していないもので、プラットフォームを共有するSUVのトゥアレグに初めて搭載されたものだ。

フォルクスワーゲン・フェートンD2
フォルクスワーゲン・フェートンD2    フォルクスワーゲン

インテリアはクリームレザーで仕上げられ、色合いを補完するようにグロスウッドのディテールが随所に見える。初代フェートンの「タイヤ付きのラウンジ」というテーマを受け継ぎ、リアにはスクリーンとクロームメッキのドアハンドルが装備されている。

フォルクスワーゲンのデザインチーフ、ヨゼフ・カバニは「今もなお、非常に魅力的な外観と美しいプロポーションを持ち、目に見える高い品質と価値を印象付けています」と語っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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