オシャレにイメージ一新 ヴォグゾール(オペル)・アストラ・スポーツツアラーへ試乗

公開 : 2022.07.31 08:25

オペルから使えるファミリーワゴン、アストラ・スポーツツアラーが登場。英国編集部が評価しました。

スタイリッシュで質感を高めたアストラ

ステランティス・グループの一員となったオペルと、英国オペルのヴォグゾールは、ブランドの活性化に余念がない。モデルレンジを大胆に見直し、選択肢の合理化を進めつつ、新しいモデルを順調にリリースしている。

欧州ではCセグメントの定番に当たるアストラも、8代目が2021年に発売され、クラス上位の売れ行きを示している。そして新たにディーラーへは、ステーションワゴンのスポーツツアラーも並ぶことになった。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ・スポーツツアラー(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ・スポーツツアラー(英国仕様)

従来までのアストラにつきものだった、退屈なクルマというイメージは塗り替えられた。ボディはスタイリッシュだし、インテリアもずっとオシャレで質感を高めている。

近年は、SUVやクロスオーバーの人気上昇と反比例するように、ステーションワゴンの販売は低調気味。それでも実用的なクルマとして、一定のニーズは保たれている。

広い荷室にシャープなルックス、軽快な操縦性などを備え、支持するユーザーは英国にも少なくない。同クラスのSUVと比較すれば空力的にも優れており、車重は軽く燃費でも有利。アストラのスポーツツアラーも、支持を集めるだろう。

ハッチバックのアストラの場合、実用性は平均点といったところだが、オペルはスポーツツアラーの重点項目として積載能力を定めた。ホイールベースを57mm伸ばすことで、後部座席の空間や荷室容量がしっかり増やされている。

真っ直ぐに伸ばされたルーフラインも、車内の広さに貢献している。全長はハッチバックより268mmも長い。

拡大した荷室と操作性の良いダッシュボード

電動テールゲートを開くと、597Lという大きな荷室が広がる。家庭用の洗濯機なら、倒して搭載できるだろう。荷室フロアは低い開口部とフラットに繋がり、積み下ろしもしやすい。

リアシートの背もたれは40:20:40の分割式に折り畳める。そうすれば荷室容量は1634Lへ拡大できる。トノカバーが装備され、フロアの下にも収納スペースが用意されている。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ・スポーツツアラー(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ・スポーツツアラー(英国仕様)

前席側は基本的にハッチバックと不変だが、ダッシュボード上部に10.0インチのツインモニターが据えられ、見た目はモダン。インフォテインメント・システムは、ワイヤレスでアップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応している。

エアコンなどには、実際に押せるハードボタンも残されており、操作性が犠牲になっていない点も良い。今回試乗したGSラインというグレードの場合、ヒーターとマッサージ機能が内臓されるスポーツシートが付いてくる。ナッパレザーの肌触りが心地良い。

引っかき傷のつきやすそうな、プラスティック製部品もなくはない。だが、インテリア全体の仕立ては好印象だ。

エンジンは、ハッチバックの選択肢と同等。英国には、110psか130psが選べる1.2L 3気筒ターボガソリンと、130psの1.5L 4気筒ターボディーゼル、180psのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)の4種類が導入される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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