レトロな7人乗りミニバン 新型フォルクスワーゲン「ID.Buzz」 右ハンドルの英国価格発表

公開 : 2022.07.14 06:25

フォルクスワーゲンは、新型EV「ID.Buzz」の英国価格を発表しました。3つのグレードを展開し、シングルモーター/後輪駆動で最高出力204psを発揮します。

レトロな電動ミニバン 英国価格は約930万円~

フォルクスワーゲンは、新型EV「ID.Buzz(IDバズ)」の英国価格を発表した。右ハンドル仕様で、3つのグレードが用意されている。

ID.Buzzは、初代マイクロバスをEVとして復活させたもので、2017年のデトロイト・モーターショーで公開されてから5年を経て市販化にこぎつけた。

フォルクスワーゲンID.Buzz(写真は左ハンドル仕様)
フォルクスワーゲンID.Buzz(写真は左ハンドル仕様)

エントリーグレードとなる「ライフ」は、LEDヘッドライト、デジタルコックピット、10インチのタッチスクリーン、音声コントロール機能、スマートフォンのワイヤレス充電、3つのUSB-C充電ポートを標準装備。価格は5万7115ポンド(約930万円)からとされている。

「スタイル」グレードは、LEDマトリックスヘッドライト、アダプティブ・アンビエントライトなどを追加して6万1915ポンド(約1000万円)から。

初期限定モデルの「1st Edition」は、安全装備一式、21インチのアルミホイール、メモリー機能付きコンフォートシート、フォルクスワーゲン最大となる12インチのタッチスクリーン・インフォテインメント・システムを搭載。価格は6万2995ポンド(約1030万円)から。

1950年のマイクロバスを彷彿とさせるツートーンカラーはオプションとして用意されている。

ID.Buzzには乗用車仕様と商用車仕様が用意されているが、今回英国で受注を開始したのは乗用車で、商用車の「ID.Cargo」は来月から受注開始予定だ。

箱型のかわいらしい外観 2024年にはキャンピングカー仕様も

英国では当初、シングルモーター/後輪駆動のモデルのみが販売される。他のIDモデルと同じリアマウントの同期モーターを採用し、最高出力204ps、最大トルク31.5kg-mを発生する。2023年にはよりパワフルなデュアルモーター/四輪駆動のモデルが、2024年にはキャンパー仕様のID.Buzzカリフォルニアがラインナップに加わる予定だ。

乗用車仕様のID.Buzzは、内燃機関搭載のマルチバンと同様のボディスタイルとなっている。5人乗りスタンダードホイールベースモデルに加え、2023年には7人乗りのロングホイールベースモデルも導入する予定。いずれも、フロントドアは従来のヒンジ式、リアは左右スライドドア(オプションで電動式)、テールゲートは上開き式となる。

フォルクスワーゲンID.Buzz(写真は左ハンドル仕様)
フォルクスワーゲンID.Buzz(写真は左ハンドル仕様)

商用車仕様のID.Cargoは、サイドに1枚または2枚のスライドドア、リアに上開き式のシングルテールゲートまたは観音開きの窓なしドアのいずれかを備える。

フォルクスワーゲンの汎用性の高いEV用プラットフォーム「MEB(Modularen Elektrik Baukasten)」をベースにしたID.Buzzは、初期のコンセプトと同様に箱型のプロファイルを持ち、全体的に角張ったデザインになっている。

コンセプトとの違いとしては、フロントガラスがやや後方にセットされ、衝突安全性能と空力効率が向上している。また、LEDヘッドライトやフルワイドLEDテールライトなどのディテールも見直され、よりテクニカルな外観となった。ホイールは19インチと20インチを装着する。

スタンダードホイールベースのモデルは、全長4712mm、全幅1980mm、全高1938mm。既存のマルチバンよりも全体的に小さくなっている。ホイールベースは2988mmで、ID.3ID.4、ID.5、中国市場向けのID.6などMEBベースのモデルとしては最長となる。ただし、マルチバンのホイールベース(3000mm)にはわずかに及ばない。

ロングホイールベースモデルのサイズは未確認だが、関係者によれば、ホイールベースが250mm長くなり、最大3列のシートを収容できるようになるとのことである。

前面投影面積が大きいにもかかわらず、空気抵抗係数を示すCd値は乗用車で0.28、商用車で0.29と、バンの基準からするとかなり低い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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