巨額の資金調達計画 アストン マーティン 電動スポーツカー開発と負債返済に

公開 : 2022.07.18 18:05

ラインナップ拡大と新型EV開発へ

アストン マーティンは、調達した資金で、2024/25年までに販売台数1万台、売上高20億ポンド(約3280億円)の目標達成を目指すとしている。2022年上半期の販売台数は2676台で、昨年の2901台から減少した。今年は通年で6600台以上を達成するとの見通しを示している。

調達した資金は、3月時点で9億5700万ポンド(約1600億円)とされる負債の返済、および新モデルとパワートレイン技術の開発に充てられるという。同社は、今回の声明の中で、ロシアのウクライナ侵攻、新型コロナウィルスによるロックダウン、サプライチェーンと物流の混乱など、「厳しい経営環境」が続いていると述べた。

アストン マーティンのローレンス・ストロール会長
アストン マーティンのローレンス・ストロール会長

同時に、今後のモデル開発と、その結果予想される財務への好影響についても言及している。次世代スポーツカーDBXの販売拡大、ヴァルハラをはじめとするミドエンジン車の開発、そしてグランドツアラーやSUV向けのEVプラットフォームが見通しに含まれている。同社初のEVは2025年に発売され、2030年までにすべての主力車種が完全電動化される予定だ。

今年初め、アストン マーティンは、トビアス・モアーズCEOの後任として、フェラーリ出身のアメデオ・フェリーサを迎えた。CEOの交代は、ローレンス・ストロールが2020年1月に同社を買収し会長に就任して以来、3回目となる。

1913年に設立されたアストン マーティンは、これまで何度も倒産や経営危機を乗り越えてきた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジム・ホルダー

    Jim Holder

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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