新型車の発表から5年 TVR復活はどうなった? グリフィスの開発状況、電動化の道筋とは
公開 : 2022.07.19 06:05
経営再建を目指す英国のスポーツカーブランド、TVRは2017年に新型スポーツカー「グリフィス」を発表しました。現在の状況について、わかっていることを纏めます。
TVR復活についてわかっていること
AUTOCARの英国編集部は最近、TVRから電動化計画の発表会(今月後半)への招待状を受け取った。英国のスポーツカーブランドであるTVRは、2024年に電動スポーツカーを発売する計画で、フォーミュラE選手権との提携も発表されている。
経営再建を目指すTVRは、2017年9月に新型車「グリフィス」を公開したが、それ以来、プロジェクト進行の遅れに悩まされてきた。そんな中での電動化計画は、どのように進められるのだろうか。グリフィスの生産もまだ開始されていないことから、プロジェクトの実行可能性について疑問を投げかけずにはいられない。
本稿では、TVRについて現在わかっていることと、今月末の発表会で注目すべき重要なことをまとめている。
グリフィスは「5年前」のモデル
TVRの新時代の先陣を切るグリフィスは、すでに公開から5年が経過している。同時期に発売された他社のモデル(ボルボXC40、BMW M5など)は改良を重ね、近くフルモデルチェンジを控えているものもある。近い時期にはメルセデスAMGのスーパーカー「ワン」も公開されたが、こちらは開発の遅れを乗り越え、ようやく顧客のもとに届けられようとしているところである。
つまり、グリフィスのデザインやテクノロジーはもはや最先端のものではなく、機能性、効率、パフォーマンスにおいて、少なくともカタログ上ではライバルの後塵を拝するはずだ。そして、レクサスLC 500、レクサスRC F、フォード・マスタングなどと並ぶ、数少ない自然吸気V8エンジン搭載モデルであることも忘れてはならない。
グリフィスは、マスタングと同じ5.0L V8エンジン「コヨーテ」を採用しているが、フォードでは2024年にハイブリッド化されると言われている。本拠を置く英国では2030年にエンジン車の新車販売が禁止され、EUでもその可能性が高いため、電動化されていないスポーツカーの賞味期限は大幅に短くなっている。
生産はまだ始まっていない
英ウェールズにあるTVRの工場に関しては、2020年12月、グリフィスの生産ライン立ち上げに向けて既存の建物の大規模改修計画にまもなく着手することが発表された。(当初予定していた生産開始時期は2019年だった)。
当初、ウェールズ政府がTVRの株式を3%保有していたため、EUの規則により、建設業者の選定に長期間を要したことが遅延の原因であった。
改修工事の進捗状況から、今後数週間のうちにリース契約を結ぶと考えられている。この工場では200人を雇用する計画だ。